堀江氏の実刑は当然、日本は不正に甘すぎる

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日本の監督体制はあまりにも脆弱である

 問題はこうした企業腐敗を撲滅するにはあまりにもチェック体制が脆弱であるということだ。アメリカには公認会計士が33万人いるのに、日本では1万7000人しかいない。金融庁は公認会計士の数を5万人に増やそうとしているが、それが実現するのは2018年である。証取委のスタッフは数年前の400名から06年に564名に増えたが、それでもアメリカの証券取引委員会(SEC)のスタッフ3200名の2割以下だ。日本の証取委の04年の予算は2300万ドルで、SECの予算の約5%にすぎない。

 日本にはアメリカの集団訴訟のような法的制度に対応するシステムがないため、負担は人数の少ない監督官に重くのしかかっている。昨年、証取委は7526件の告発を受理したが、これは05年比で6割も増え、とても全部処理できるとは思えない。検察庁に告発したケースは11件にすぎず、金融庁が処罰した件数も29件にすぎない。これとは対照的にSECは914件の調査を独自に行っており、218件は民事訴訟の手続きを取っており、356件は行政訴訟の手続きを取っている。

 日本は監査権限の強化を図っているが、その進捗は緩慢である。金融庁は、企業の粉飾決算を見逃した監査法人(個々の会計士ではない)に対する懲罰権を拡大する法案を提案している。当初、金融庁は法案に刑事責任を含めようとしたが、政府と自民党の反対で後退してしまった。そこで金融庁は、監査法人に粉飾決算を行った企業から受け取った手数料の150%に相当する罰金を科し、監査法人の経営者を排除する権限を盛り込んだ法案を提案している。

 06年5月の会社法の改正によって株主は企業に粉飾があった場合、監査法人を相手に訴訟を起こすことができるようになった。そのため06年4月から12月の間に1800件もの修正報告が提出されたのである。

 06年6月には「日本版SOX法」ともいわれる金融商品取引法が成立した。これによって08年4月以降は日本でも財務報告にかかわる内部統制の評価および監査が求められるようになる。もし、すでに日本版SOX法が適用されていれば、日興コーディアルの経営陣も実刑処分を受けていたはずである。

 こうした規制強化の方向は正しい。だが、それは始まったばかりだ。実効性のあるものにするには、政府や自民党がもっと支援し、十分なスタッフと予算を提供する必要がある。

リチャード・カッツ
The Oriental Economist Report 編集長。ニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズ等にも寄稿する知日派ジャーナリスト。経済学修士(ニューヨーク大学)。当コラムへのご意見は英語でrbkatz@orientaleconomist.comまで

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