テレビの元日特番に映る「かくし芸」のDNA 注目は「格付け」のGACKT連勝だけじゃない

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4つの番組に共通しているのは、「トップクラスの芸能人、アスリート、アーティストの挑戦や対決」というコンセプト。それこそが、元日特番の醍醐味なのです。

「元日らしいスケールの大きい夢の対決」「本物の一流が本気で挑戦」する姿は見応えがあるうえにレアであるなど、視聴者にとってはお年賀やお年玉のようなコンテンツ。ハラハラドキドキしたり、どちらが勝つか、あるいは成功するかを予想したり、それを家族、親族、仲間で共有しながら盛り上がれます。

芸能人、アスリート、アーティストにとっては、「元日特番に出演できるのは選ばれた人だけ」というステイタスが得られ、ふだん見せていない特別な力を見せるチャンス。懸命に練習を重ねるなど気合を入れて臨み、スターならではの驚異的な集中力を発揮するでしょう。だからこそ元日特番で彼らの挑戦や対決を見た視聴者は、成功と失敗や勝ち負けを超えて拍手を送りたくなるのです。

フジ、日テレ、TBSが「かくし芸」を放送

かつて同じように視聴者が「挑戦」「対決」を見て拍手を送っていた元日特番がありました。それが1964~2010年に放送されていた「新春スターかくし芸大会」(フジテレビ系)です。

日本中の人々が、「元日早々、失敗したら縁起が悪い」「正月から恥をかきたくない」というプレッシャーの中、奮闘する芸能人の姿に一喜一憂していました。今では「古い番組」というイメージがあるかもしれませんが、47年間に渡って放送された超長寿番組だけに、人々の記憶にはしっかり残っているでしょう。

しかし、「新春スターかくし芸大会」は、1970年代に30%を超えていた視聴率が、1990年代には20%を下回るようになり、2000年代に入ると10%台前半に落ち込み、最後は1ケタにまで落ち込んだことにより、やむなく終了しました。

また、あまり知られていませんが、日本テレビが1979~1987年に「番組対抗かくし芸大会」、TBSが1980~1984年に「超豪華!番組対抗かくし芸」を放送していました。民放各局にまたがって放送されるほどのコンテンツだったのです。

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