前例のない「GW10連休」、交錯する期待と不安

観光業界は歓迎も、株価の変動リスク高まる

小売り各社もポジティブな反応が目立つ。「魅力のある企画や商品を準備して、顧客をお迎えしたい」(イオン)。「店舗ごとに集客力のあるイベントや催事を10連休に充てて、消費を盛り上げたい」(三越伊勢丹)。ただ具体的な販促策については、各社とも様子見といった状況だ。

勤務体系については例年のGWでも繁忙期シフトを設定しており、「過去のGWと状況は大きく変わらず、対応することはできる」(三越伊勢丹)という。

物流業界は人手確保に苦慮

一方、ネット通販の拡大などで配達現場が逼迫している物流業界は人手のやり繰りに苦労しそうだ。業界内では、連休期間中に百貨店や量販店のセールが増え、GW直前から休み期間にかけて輸送量が跳ね上がるという見方が大勢を占める。

物流一括受託の大手、SBSホールディングスは輸送量増をにらみ、昨年後半からドライバーやトラックの確保に動き始めた。自社戦力で足りない場合は外部委託せざるをえないが、「10連休は人手不足に拍車がかかり、委託費用も上がるだろう」(同社)。

今から頭を抱えているのが、株式市場関係者だ。

「レジャーや観光の関連企業などの株価が局所的に上がるかもしれないが、前向きな影響はその程度。株式市場全体にとって、いいことはない」。大手証券会社のベテランアナリストは苦い顔を見せる。

日本取引所グループは2018年12月21日、GWに市場を10日連続で休場すると正式発表した。休場中の最大の課題は、連休中に海外市場の株価や為替を大幅に変動させるような出来事が起きた場合の影響だ。仮にそうなっても、休場が続く日本の株式市場では、売買を通じた株価の調整が働かない。連休後の取引では、たまった変動要因を一気に織り込もうとして、株価が激しく変動する事態が想定される。

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