ハワイから小田原へ、根付くか会員制ホテル ヒルトンやプリンス、大手の参戦相次ぐワケ
「2017年に150万人の日本人がハワイを訪れた。このうち、9.5%がわが社の顧客だった。日本で商品を立ち上げることで、幅広い顧客を獲得したい」――。
ヒルトン・リゾーツ・コーポレーションのマーク・ワン社長はそういう。
同社は2017年1月に世界大手のホテルチェーン・ヒルトンから独立。現在はニューヨーク証券取引所に上場している。ヒルトン・グランド・バケーションズ(HGV)ブランドで会員制のホテルを展開している。
タイムシェアのほうが客室が広い
手掛けるのは「タイムシェア」といわれる分野だ。既存のホテルが、あらゆる顧客を対象としているのに対し、タイムシェアの場合は、たとえば会員があるホテルの客室を1年間52週に分割し、どこか1週間を占有できる権利を毎年取得するというもの。
利用者にとっては、権利の取得金(数百万円)のほか、宿泊費用や管理費が別途かかる。
HGVのワン社長は、別荘を持つよりは安く「ヒルトンのブランドの商品で、なおかつ通常より広く、キッチンや洗面所、アメニティが充実した客室を、利用する分だけ購入できることがメリットだ」と説明する。
HGVはハワイで会員向けに8軒の物件を展開する。会員オーナー28.8万人のうち、日本人は5.8万人で、そのほとんどがハワイに物件を所有しているという。冒頭のセリフは、ハワイを訪れる日本人観光客の約10%が同社の顧客だということを示唆している。
そうした中で3月下旬、ヒルトン小田原の中に同社として日本で初めてタイムシェア・リゾート「ザ・ベイフォレスト小田原・バイ・ヒルトン・クラブ」を開業すると公表した。具体的な日程は決まっていないが、今年半ばにはヴィラタイプで6人まで宿泊できる客室を10棟開業する。さらに需要を見ながら100棟まで増築する計画を立てる。
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