ハワイから小田原へ、根付くか会員制ホテル ヒルトンやプリンス、大手の参戦相次ぐワケ
日本でいえば、タイムシェアホテルは、リゾートトラストが運営する「ベイコートクラブ」や「エクシブ」、東急電鉄系の「東急シェアリング」、東急不動産系の「東急ハーヴェストクラブ」などが存在する。
2019年には西武ホールディングス傘下のプリンスホテルも軽井沢で開始する方針だ。
ヒルトンやプリンスホテルがここに来てタイムシェアを展開するのはなぜなのか。ビジネス面でみると違った光景も見えてくる。
会員権ビジネスは高収益
米ヒルトンの売上高は91億ドル(約9800億円)、税前利益が9.3億ドルなのに対し、HGVは各17億ドル、3.1億ドルと収益性が高い。これはタイムシェアの場合は会員権の販売が大きな収益源となるからだ。
実際、国内最大手・リゾートトラストの決算を見れば、売上高の半分を占めるホテルレストラン事業の利益率は4%だが、3割を占める会員権販売の利益率は16%と突出している。
またホテルは新規顧客を呼び込むために、莫大な広告費を費やしたり、ネットの予約サイトに手数料を払う必要があるが、タイムシェアならば事前の予約状況が読みやすく、外部の予約サイトに手数料を払う必要がないといったメリットもありそうだ。
HGVでは会員権を1カ所で取得すると、価格に応じたポイントが毎年付与される。そのポイントに応じて、ヒルトングループや提携先の国内外の宿泊施設が利用可能になる。
ハワイに物件を持つ日本人会員でも、毎年行くとは限らない。「約半分のオーナーが首都圏に居住している」(ワン社長)という利点を生かし、短期の旅行は小田原に、長期旅行はハワイや2021年に開業を予定する沖縄といったリゾート地に誘導する狙いがありそうだ。
しかし別荘を買うより安いとはいえ、小田原の会員権は「ハワイと同じくらいの価格(3.5~8万ドル)になる見通し」(ワン社長)と決して安くない。
はたして、日本の顧客にタイムシェアは受け入れられるのか。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら