安室奈美恵が「平成最後の歌姫」になれたワケ 彼女は山口百恵のような「生きる伝説」だ
安室奈美恵が、今年(平成30年)デビュー日に当たる9月16日をもって芸能活動を引退した。
1992(平成4)年に女性アイドルグループ「SUPER MONKYE’S」のメインボーカルとしてデビューし、1995(平成7)年からソロ活動開始。トータル丸26年に及ぶ活動の軌跡は、いちファンとして端から見ていても決して平坦なものではなかったが、終わってみれば10〜40代の4年代においてそれぞれミリオンセラーを達成し、一過性の人気だけでは到底なしえない前人未到の記録を打ち立てた。
平成を駆け抜けた彼女の活躍は、昭和の美空ひばりや山口百恵のように伝説となり今後も語り継がれていくことは想像に難くない。安室奈美恵が、平成を代表する歌姫となりえた理由を考えてみよう。
SNSをやらないからこそ際立ったスター歌手
彼女がデビューした1990年代初頭には、まだ芸能人というのは一般人とはかけ離れたメディアという世界に住んでいて、なかなかお目にかかれないからこそ、崇高な存在だった。手が届かない存在が、”スター”だったのだ。
だが、インターネットが普及するとともに、芸能人もSNSで個人アカウントを立ち上げ、自分の日常をさらけ出し、ひとりの人間としての意見やメッセージを発信しはじめた。それにより一般人の共感を得て評判や注目度を上げることができたし、ファンもコメントをダイレクトに送れるうえに、運が良ければ芸能人から直接返信を受けることもできた。
また、2000年代には、AKB48をはじめとする「会いに行けるアイドル」が続々人気を集めた。近年では、そもそも一般人のはずのYouTuberが若い世代に支持され、渋谷でYouTuberが現れるのを待つ女子高生もいるというから、もはや芸能人顔負けの人気ぶりである。
今や、どれだけ一般視聴者やユーザーに親近感をもたせるかが人気者を作るキーポイントとなっている中で、安室奈美恵はその潮流に便乗するどころか、抗うかのように逆行した活動方針を貫いた。
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