大東文化大学の山下東子教授(水産経済学)は「IQが資産化し、既得権益化するため、初期配分や取り扱いには慎重さが必要」と指摘する。水産資源は国民共有の財産と考えられているが、漁船ごとにIQが与えられると、IQは土地と同様に個人所有資産としての性格が強まる。IQは過去の漁獲実績などを考慮して国が割り当てるが、最初の配分時に漁業者間で利害が対立する事態も想定される。IQは漁船の譲渡と併せて移転可能となり、漁船のトン数規制も撤廃されるため、規模の格差も拡大しそうだ。運用にあたっては、透明性や公正性をどう担保するかが課題となろう。
もう1つの柱である沿岸漁業権は、現状、都道府県が地元漁協などに最優先で与えている。外部の企業が漁協に加入せずに養殖を営むには、地元漁協などが名乗りを上げない空き水域のあることが条件となる。参入できたとしても、5年後の免許更新時に地元漁協が申請すれば権利を失う。
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