TX、利便性向上のカギ握る2大プロジェクト 東京駅や茨城空港への延伸構想、実現性は?

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首都圏新都市鉄道はTXの未来図をどのように描いていくのだろうか。同社の小泉誠参与兼経営企画部長に話を聞いた。

――最優先の経営課題は何か。

「開業からまだ13年だが、沿線開発の進展で乗客は右肩上がりで増えてきている。さまざまな経営課題があるが、現時点での重要な経営課題は『混雑緩和のためにできることは何か』と『安全運行の継続を引き続きどのように図っていくか』であると考えている」

「現在7編成に残っているクロスシートをすべてロングシートに変更するほか、2020年春には、新型車両TX-3000系を投入し、朝ラッシュ1時間当たり22本から25本へ増発することとしており、これにより相当程度混雑の緩和が図られると見込んでいる。また、車両や設備の更新などを着実に実行し、鉄道輸送の最大の使命である安全性を高めてまいりたいと考えている」

――中期経営計画では8両編成化事業の検討を行うともされているが、混雑緩和の実現に向けたさらなる方策はあるか。

「利用者や沿線自治体から多くの要望が寄せられており、8両編成化の可能性などについて検討をしていく必要があると考えている。一方、当社には路線建設債務がまだ6000億弱残っており、毎年度約200億円の返済を続けているため、財務の健全性を確保しつつ、混雑緩和のための施策の検討を進めていくことが重要であると考えている」

有料着席サービス導入の是非は?

――追加料金を支払って着席したい利用者もいるのでないか。たとえば、東京急行電鉄では大井町線急行の全号車のうち1両のみクロス・ロング転換タイプの車両を組み入れて座席指定サービスを開始したが、貴社ではどのように考えられるか。

「利用者の方や沿線自治体からは混雑緩和に向けた取り組みへのご要望の方が圧倒的に多い。クロス・ロング転換車両に即して言えば、座席数と立席空間の両方の減少につながり、混雑悪化を招きかねない面もあると思われる。現状ではすべての車両をロングシートに変更することなどで、混雑緩和を図ることを最優先して行っていく必要性が高いと考えている」

――TXのさらなる魅力向上や、企業価値の向上に向けた展望は。

「当社は開業以来、地域の方々に支えられ、また当社が地域の発展に少しでも貢献できるよう歩んできた。これまでも沿線自治体、企業、大学のまちづくり活動へ参加するなど連携を深めてきた。また、沿線情報の発信にも努めてきた。今後も地域密着の鉄道を目指して、地域に貢献してまいりたい。そのことが当社の魅力向上や企業価値向上につながればと考えている」

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