TX、利便性向上のカギ握る2大プロジェクト 東京駅や茨城空港への延伸構想、実現性は?
そして、TXをめぐってはもう1つの巨大プロジェクト構想が茨城県内において浮上した。茨城空港への延伸構想である。同空港がある小美玉市と周辺の7市議会が2018年5月に「TX茨城空港延伸議会期成同盟会」を設立した。
現在、同空港と都内を直結する唯一の公共交通機関として、高速バスが運行されている。航空機利用者は「ワンコイン」の500円で利用できる(航空機非利用者は1200円)。
同期成同盟会の『設立趣意書』には、TXを茨城空港まで直結することが茨城空港を首都圏第3の空港として発展させる最善策になること、そして人口増・経済効果などの波及効果は計り知れないと記されている。
茨城空港応援大使を務める伊王野求美さんは「鉄道が乗り入れることで、空港だけでなく、地域も活性化する。ぜひ実現してほしい」と熱望する。
茨城空港延伸構想に疑問の声も
一方、TX茨城空港延伸について、懐疑的な意見もある。茨城県内のある自治体の関係者は「人口減少や高齢化が見込まれる地域では老朽化が深刻な生活基盤整備、医療福祉の予算を確保するのが先決。TXの茨城空港延伸は順番が違うのではないか」と疑問視する。
TX延伸構想を沿線自治体が提起する背景には、今後予想される人口減への危機感があるからだ。首都圏新都市鉄道は、寄せられる要望に対してどのような対応を打ち出していくのか。
TXにとって、沿線自治体や利用者などのステークホルダーとの関係に目配りしつつ、東京駅延伸実現に向けた検討を含むTX魅力向上に向けたシナリオを描くことがますます重要になる。それが、持続的な乗車人員確保を通じた企業価値向上につながるだろう。
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