アウディが見せた「EV」の圧倒的すぎる進化 e-tronは12気筒エンジンにも勝るほど静かだ

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前輪と後輪の間の床板は95kWの容量を持つ高電圧バッテリーが敷き詰められている(筆者撮影)

そして搭載されるモーターは2つ。フロントアクスルと同軸上に最高出力約170馬力、最大トルク247Nmを発生する非同期モーターを搭載。さらにリアアクスルと同軸上に、最高出力約190馬力、最大トルク314Nmを発生するモーターを搭載する。そして1速ギアを備えた2ステージプラネタリーギアボックスが、ディファレンシャルを経由してアクスルに駆動力を伝える仕組みだ。前より後ろのモーターのほうが出力/トルクともに大きいのは、アウディのほかの縦置きエンジンモデルと同じで、AWDながらもスポーティな走りを実現するためでもある。

航続距離は400km以上を実現

ちなみにこれらの非同期モーターは短時間であれば出力を引き上げることが可能で、シフトレバーをDモードからSモードへと移動し、アクセルペダルを床まで踏み込むとブーストモードが起動する。そしてこのモードになると8秒間だけ、システム最高出力408馬力、システム最大トルク664Nmを発生し、0~100km/h加速で5.7秒を実現することになる。ちなみにこの時、前後の出力/トルクの内訳はフロントが183馬力/309Nm、リアが224馬力/355Nmとなる。そしてこのようなパフォーマンスを持ちながら、航続距離はWLTPドライビングサイクルにおいて400km以上を実現している。

前後に1つずつ、計2つのモーターを持つ電気クワトロとなったe-tronは、当然電子制御によって前後のモーターのトルクをきめ細かに配分する。効率上の理由から、通常はリアアクスルからより多くの駆動トルクが配分され、路面状況や走行状況などに応じてフロントアクスルに駆動トルクを配分する仕組みだ。

しかもこの前後のモーターの協調制御は当然電気的なものとなるため、従来のメカニカルな4WDシステムを電子制御するよりも圧倒的にレスポンスに優れており、システムが走行状況を検知して電気モーターのトルクが駆動するまでの時間は、わずか約0.03秒とい素早さを実現しているのだ。

そしてサスペンションは前後ともに5リンク式となる自動車高調整機能付きアダプティブエアサスペンションが標準装備され、これがアウディドライブセレクトで選んだ走行モードに応じて減衰力を調節するような仕組み。装着タイヤは標準サイズが255/55R19で、オプションとして255/50R20、265/45R21が用意されるという。今回の試乗車には20インチが与えられていた。

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