年10億円超の横領もある「成年後見人」の本質

親族後見人による不正が問題になっている

成年後見制度は後見人の人材不足や、後見人による不祥事など制度利用のしづらさの問題があります。そこで、厚生労働省は2023年を目標に、利用者にとってよりよい制度となるよう改革を進めています。改革の目玉となるのが地域ごとの「中核機関」の設置です。

中核機関が中心となって本人に身近な親族、福祉・医療・介護の関係者、地域住民、後見人などがチームとなり、日常的に本人を見守り、本人の意思や状況に応じて対応しようというものです。

成年後見制度の改革が進行中

「親族後見人を支援したり、利用者などの相談に応じたり、本人の権利が擁護されない場合は後見人の交代を促すなど、取り組みの核となります」(牧野先生)

また、人材不足対策として、一般市民を担い手とする「市民後見人」の育成が期待されています。

「専門職は多くの報酬の支払いが必要になり、また多忙な方が多いため身上保護という点ではきめ細やかなケアを期待することが難しい状況です。市民後見人では報酬の支払いが抑えられ、手厚い身上保護と事務的ではない人と人との関係作りが期待できます。なお、親族後見人は報酬を求めない人が多いようです」(牧野先生)

今後需要が増す成年後見制度。どのように変わっていくか私たちも見守り、参加することが求められているようです。

「成年後見制度」のギモンQ&A

成年後見制度の利用を考えるに当たり、いろいろ疑問が出てきます。どのように利用できるの? 後見人の横領が多いって聞くけれどどうしたら防げるの? 後見制度は一度利用したらやめられないって本当? そんな疑問にお答えします。

Q. 成年後見制度の利用方法を教えてください。

A. 本人の住所地の家庭裁判所に、申立書や診断書などの必要な書類を提出して申し立てます。その後、後見人候補者の適性等の調査や、本人の判断能力の鑑定手続きなどを経て決まります。開始までの期間は個々の事案により異なりますが、おおむね1~2カ月です。

なお、任意後見では家庭裁判所ではなく、公証役場であらかじめ本人が選んだ代理人と任意後見契約を結びます。判断能力が不十分になったときに、任意後見人が業務を行います。

(図:毎日が発見ネット)
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