3メガ融資先、パーム油生産大手で人権侵害

インドネシアで実態判明、ESG方針の試金石に

インドフードの農園でアブラヤシのヤシ殻を拾い集める少年(提供:RAN)

日本のメガバンク3社から多額の融資を受けているインドネシア食品大手傘下のパーム(アブラヤシ)油生産企業で、数多くの人権侵害が起きている事実が判明。融資継続の是非が問われる事態になっている。

問題が指摘されているのは、インドネシア最大手の食品会社インドフードだ。

マレーシアに本拠を置く国際的なパーム油生産に関する認証団体のRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)の紛争パネルは11月2日に報告書を発表。約2年にわたる検証の結果として、インドフードのグループ企業が所有する北スマトラの農園や搾油工場において、賃金の未払いなど数多くの不正行為が行われていたと指摘した。インドフードのグループ企業であるロンドン・スマトラ・インドネシア社に是正を求めるとともに、RSPOの事務局に認証を停止するように指示した。

多岐にわたる違法行為

RSPOの通告文書によれば、違法行為の内容は、インドネシアの労働法違反に該当する超過労働や賃金の未払い、退職金の不払い、労働組合への差別的扱い、女性労働者への差別的処遇など多岐にわたっている。RSPOの紛争パネルは「違反行為が蔓延していることに対して、適切な処分を下すべきである」と結論づけている。

こうした中、RSPOによる認証取り消し方針を踏まえて、日本のメガバンク3社の対応に注目が集まっている。国際環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)日本代表の川上豊幸氏は「メガバンクのESG(環境・社会・ガバナンス)に基づく投融資ルールが機能するか否かの試金石になる」と指摘する。

RANは2016年10月、インドネシアの労働者権利擁護団体などとともに、インドフードのパーム農園で違法労働が蔓延しているとして、RSPOに苦情処理手続きを申し立てた。今回、違法行為が認定されたことを踏まえ、RANとともに申し立て手続きをしたインドネシアのアブラヤシ農園労働者権利擁護団体OPPUKのヘルウィン・ナスティオン事務局長(アブラヤシ農園労組SERBUNDO会長)は「日本のメガバンクは自社の投融資方針に基づき、きちんとモニタリングをしてほしい。そのうえで、融資を継続するか否か再検討してほしい」と東洋経済の取材に答えている。

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