免税店ラオックスが赤字企業を買収した真意 羅社長が語る婦人靴やギフト店との相乗効果
「爆買い」が流行語になった2015年前後、同社の免税店には中国人観光客が団体で来店し、銀座や新宿などの繁華街で高価な宝飾品や家電を買い求める姿が目立った。それが今の売れ筋は化粧品や医薬品など単価の低い日用品に変わった。
「足元の業績は及第点以下」
――免税店主体からの業態転換を進めています。免税店の不採算店の縮小にはほぼメドがついたと聞いていましたが、2018年通期の営業利益の予想を10億円から一転、3億円の赤字に下方修正。いったい、何があったのでしょうか。
ごめんなさいね、悪い業績で。この3年間、不採算店を閉鎖するなど、苦しみながら構造改革を進めてきて、一定の成果は出た。進捗度でいえば、8割くらい。
ただ、足元の業績は及第点以下だ。9月の西日本豪雨、北海道の地震などの自然災害が直撃し、その後訪日客の旅行のキャンセルが相次ぐなどで、大きな影響を受けた。訪日客からの需要が高い西日本や北海道には、当社の免税店も集中しているからだ。
直接的な原因は災害だが、根本的にはラオックスの事業基盤がまだ脆弱なことに原因がある。特定の地域や業態に依存しない、バランスの取れた事業を作っていかなければならないと強く感じた。
勘違いしないでいただきたいのは、免税店は今後もわれわれの主力事業であることに変わりはなく、きちんと成長させ続けるということ。ただ、全体の業績に占める依存度は下げていく。最盛期で当社の売上高の8割を占めたが、今期は4割くらい。2020年度までには、3割以下にしたい。
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