定期預金で「年利3%投資」に勝つ確実な方法 特に20代30代の人は12月に必ずやってほしい

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つまり、積立貯蓄は積立投資より運用の利回りが300分の1しかなくても、積立額1万円を増やすだけで、「2万円、年利3%」での運用額を上回ってしまうのです。それに、投資の場合、最終的に予想される運用額が得られるかは不確実です。このように、運用利回りよりも積立額のほうが、いかに大切かがわかると思います。

もちろん、「投資」が資産形成に適していないわけではありません。実体経済に必要なお金を投入し、世の中に必要とされるモノやサービスを作り出すうえでとても大切な手段です。しかし、資産を着実に作るのならば、リスクのある「投資」より積立原資を捻出し、少しでも早く積み立てを始めることだと思います。

もちろん、貯蓄だと将来のインフレリスクを心配する人もいます。日本は戦後ずっとインフレ基調できたものの、バブル崩壊から今に到るまでデフレ基調できています。日本は金融緩和によってお金がジャブジャブあふれている状態ですが、一向にインフレが訪れる気配はありません。インフレは発展途上や財政危機にある国で起こりやすいため、これからも、日本で急激なインフレが訪れるとは考えにくいでしょう。

確かに金融緩和に加え、今の国の借金に鑑みれば、将来的にインフレリスクがないわけではありません。ただ、インフレリスクは投資リスクと同じくらい不確実と言えます。なので、そこにフォーカスするより、まずは着実に資産を積み上げることから始めることが大切だと思います。仮に、インフレ基調になり出したら、そこで次善策をとればいいのではないでしょうか。

民間の生命保険の多くは、国や会社の保障で対応できる

では、どうやって毎月の積み立てのお金を捻出すればいいでしょうか。たとえば、給与振込口座に一定の残高がある方は、支出を上回る収入があるので、積み立てにお金を回しやすいでしょう。しかし、そうでなければ、支出に手をつける必要があります。そのとき役立つのが、意外にも生命保険料控除のために集めた「生命保険」の契約情報です。自分がいったい、いくらぐらいの保険料を払っているのか。そして、その保険が本当に必要かどうかを考えることが大切です。

万が一のことがあっても、国や会社から何らかのお金が支給されます。それでも不十分だと思ったときだけ保険に入ればいいわけです。そう考えると、不必要な特約を外すだけで、毎月の保険料は下がります。一般的に、支出の見直しというと、外食や衣服の購入を減らすイメージがありますが、そういう節約はストレスがたまりがちです。保険を見直して支出を減らしても、日々の暮らしぶりには何ら変化はありません。

先ごろ、今年は全体傾向としてはボーナスが増えているという報道がありました。多くの人にとっては、年末調整で税の還付という臨時収入も入ってくるので、少し気持ちにゆとりをもってお金のことを考えられる時期でしょう。ぜひ、この機会に、来年の資産形成計画を立て、積立増額による資産形成スピードのアップを図ってみてください。

大江 加代 確定拠出年金アナリスト

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おおえ かよ / Kayo Oe

大手証券会社に22年勤務、サラリーマンの資産形成にかかわる仕事に一貫して従事。退社後、夫の経済コラムニストである大江英樹氏(株式会社 オフィス・リベルタス 代表)を妻として支える一方、確定拠出年金の専門家としてNPO確定拠出年金教育協会 理事、企業年金連合会 調査役として活動。野菜ソムリエの資格も持つ。

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