手堅く勝っている投資家は何をしているのか

「個人投資家の9割は勝てない」は本当か?

「個人投資家のほとんどが負けている」という噂は本当だろうか。データを検証すると、驚きの結果が(写真:T2 / PIXTA)

積立型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)の普及をきっかけに、株式投資に興味を持つ人が増えてきている。しかし、いざ株式投資を始めるとなると、途端に不安になる人も少なくないようだ。なぜなら、「個人投資家の9割は勝てない」という話をよく聞くからだ。

しかし、それを裏付ける公式な統計データをいくら探しても見つからなかった。そこで、今回、個人投資家が実際に利用しているアプリのデータに基づいて検証してみた。

実は、「9割は勝てない」という話は、株式投資に限った話ではない。FX(外国為替証拠金取引)でも同じような話を耳にする。FXに関しては、一般社団法人金融先物取引業協会が2018年4月に公開した「外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査~調査結果報告書~」に検証に使えそうな数字が載っている。

「FXは6割の人が勝っている」の調査をよく見ると…

この調査では、全国の20~70代一般男女の、FX投資経験者1000人にアンケートを取っている。2017年にFX取引で利益を出した投資家は、全体の60.3%だという。あくまで1年間という短期間だが、この数字だけを見れば、FX取引をしている個人投資家の6割が勝っていることになる。負けている人が大半という「よく聞く話」と比べると、一見この調査を見ると、「なんだ、個人投資家は勝っているではないか?」と思うかもしれない。

しかし、これにはカラクリがある。この調査の調査対象の部分をよく読んでみると、「なるべく現状の実態を把握する意図のため、現在取引者を優先して抽出し、過去取引者についても直近の取引が調査時点に近い人を優先して抽出した」と書いてある。つまり、損失を被って1年以内にFX取引をやめてしまった個人投資家は、調査の対象になっていない可能性が高いのだ。これは「生存者バイアス」、つまり、損失を被らずに取引を続けられている層だけを対象にする偏った調査ともいえるだろう。

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