都営大江戸線の練馬区内の終点光が丘。大規模団地のアクセス路線として機能しているが、さらに延伸する計画がある。練馬区内の大泉学園町を経由して東所沢方面に至るというものだ。
このうち練馬区内の区間については、大江戸線の線路の地上部分となる道路の整備が進みつつある状況だ。すでに具体的な計画は煮詰まりつつあり、西武池袋線の大泉学園駅から北へ2kmほどのところに大泉学園町駅(仮称)をつくる。
さらに、光が丘との間に途中駅として2駅設置予定だ。地元では早期着工の要請活動を進めているので、実現の可能性は高い。23区内では数少ない鉄道空白地帯の1つであるだけに、完成すれば沿線の利便性は大幅に向上するであろう。
郊外の行き止まり終着駅
23区以外の多摩地区、神奈川、埼玉、千葉にも延伸が取りざたされている行き止まり終着駅がある。その現状を見ておこう。
小田急が多摩ニュータウンへのアクセス路線として建設した多摩線は、1975年に小田急多摩センターまでが開通し、その後、1990年に唐木田まで1駅延伸された。多摩センターまで並走してきた京王相模原線とは分かれ、独自に相模原方面への延長を暗示するかのような唐木田駅設置だった。
2006年に相模原市の在日米軍相模総合補給廠の一部返還が決まったことで相模原市と町田市は具体的な延伸検討に入り、2027年までの実現を目指している。これによると、相模原でJR横浜線と交差し、JR相模線上溝に至るルートが提言されている。決して夢物語ではないが、完成まではどのくらいかかるのだろうか?
多摩都市モノレールは、南の終点は多摩センターで京王相模原線と小田急多摩線と接続しているが、北の終点上北台は行き止まりの終着駅である。
もともとの構想では、多摩地区を8の字形に結ぶ路線網として計画されているので、南北どちらも延伸できるように造られている。このうち、上北台から箱根ヶ崎までの区間は、東京都が事業化に向けて検討を深度化する路線の1つと位置付けている。
実現の可能性は高いのではないだろうか。多摩地域の市の中で唯一鉄道が通っていない武蔵村山市を通るので、地元では開業が熱望されている。
他の西武線とはつながっていない孤立した路線で、他線との接続は起点の武蔵境(JR中央線)のみである。途中で京王線と交差するものの駅同士の距離は離れている。
是政は行き止まりの終着駅で、すぐ南を多摩川が流れている。駅前の府中街道を進んで多摩川を渡るとJR南武線の南多摩がある。かつては、右折して北に向かい東京競馬場へ延伸する計画や、多摩川を渡って多摩ニュータウンへ向かう構想もあったが、具体化しないうちに消えてしまった。多摩川の砂利輸送のために開通した路線だが、砂利採取がなくなり旅客輸送のみとなった現在、何とも中途半端な路線として残っている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら