「乗りものニュース」なんともディープな実像 コアなファンだけを狙っているわけではない

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――鉄道や自動車に興味を持つ層は男性が多いイメージがありますが、実際の読者層は?

おっしゃる通りメインは30~40代の男性ですが、乗り物のジャンルによって少し世代が異なります。鉄道系については高校生など比較的若い方によく読まれていますし、自動車の場合はやはり、実際に購入を検討できる世代の関心が高いですね。

――そうした代表的な交通機関のほかに、「ミリタリー」のような、一見乗り物ではないジャンルも扱われています。「乗りものニュース」では、どこまでを「乗り物」としているのでしょうか?

「乗り物」の定義は幅広いと語る恵知仁さん(写真:news Hack by Yahoo!ニュース)

乗り物の定義については、わりとゆるく捉えています。たとえば、スケートボードや自転車だって乗り物なので、話題さえあれば扱うつもりです。ベビーカーにしても、製品としてはないものの、電車内でのマナー問題として取り上げたことがあり、多くの反響をいただきました。

ミリタリーも、一般の人が戦車に乗ることは普通ありませんが、乗り物であることに変わりないですし、何より乗り物好きな方とミリタリーのファン層は重なっているようで、好評なジャンルです。
また、ユニークなところでは、山形県で開催された「日本一の芋煮会フェスティバル」に関するネタが話題を集めました。これは、ショベルカーをお玉代わりに使って、巨大な鍋で約3万食もの芋煮を作るイベントなのですが、そうした重機はいわば「働く乗り物」ですよね。

徹夜だけど役得!? 「乗り物」ならではの苦労

――取材活動を行う上で、乗り物というジャンルならではの苦労はありますか?

恵さんが取材時に撮影した、走行中の東海道新幹線N700系運転席(写真:乗りものニュース)

現場取材の場合、場所や時間が変則的であることです。たとえば、夜中の0時に静岡県の駅でアポイントとなるケースもあります。特に鉄道は、運転を終えた深夜に作業を行うので、徹夜で取材をする機会は多いですね。ただ、これは一般の乗客であればまず見られないシーンですから、苦労である半面、役得だと思っています。

以前、深夜に東海道新幹線の非常時訓練が行われた際は、真夜中の線路の上を歩いて車両に乗り込む体験もできました。ほかにも豪華寝台列車、JR東日本の「TRAIN SUITE 四季島」やJR西日本の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の車内を見せてもらえたのも、個人的にいい思い出ですね。

――恵さんをはじめ、ライターの皆さんにとっては、趣味と実益を兼ねている仕事ですね。

そうですね。ただ、取材を終えて新幹線や飛行機に乗り込んでも、移動を楽しむ暇もなくひたすらパソコンに向き合わなければならなくなったのは少し残念ですが……(苦笑)。

その一方で、取材相手が「乗りものニュース」の読者であるケースも多く、現場で「いつも読んでますよ」と言ってもらえるのはやはり励みになります。また、開設直後からYahoo!ニュースと提携しているおかげで、「Yahoo!ニュースで記事を見ましたよ」と声をかけてもらえることも少なくありません。

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