北朝鮮「戦略兵器」実験、軍近代化の意味 人海戦術からハイテク兵器に転換へ
[ソウル 18日 ロイター] - 北朝鮮の非核化協議が続いているにもかかわらず、「最新戦略兵器」実験を行ったとする同国の主張は、通常兵器の性能向上と軍部を安心させたい欲求の表れだと、専門家はみている。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、新たに開発された戦略兵器の実験を視察したと、国営の朝鮮中央通信社(KCNA)は16日伝えた。同兵器については、「鋼の壁」となり得るという以外、詳細は明らかにしていない。
今年、金委員長が兵器実験を視察したのはこれが初めてだが、すでにとん挫している米国との非核化協議の障害となりかねない。米韓両国は、非核化交渉を妨げないよう慎重な構えを見せている。
通常戦力の柱をハイテク兵器へ転換
今回の実験は、通常戦力の柱を130万人強の兵士からハイテク兵器へと転換させる金委員長の戦略の一環だと専門家は指摘する。
「これは北朝鮮版の軍事改革といったところだ」と、韓国シンクタンク、峨山(アサン)政策研究所の崔剛(チェ・カン)副所長は指摘。「外の世界に対して隠れたメッセージがあるとすれば、それは『見くびるな、われわれも近代化している』というものだろう」
北朝鮮が保有核兵器の少なくとも一部を放棄するならば、新たな高性能兵器の重要性は一段と増す可能性がある。
制裁下にある北朝鮮の防衛費は、韓国や米国の比ではないが、北朝鮮の前方展開兵力や銃器、多連装ロケットシステム(MLRS)は米韓の同盟諸国にとっては多大な脅威となる。