墜ちたカリスマ、日産ゴーン会長逮捕の衝撃

西川日産社長は「負の遺産」とゴーン決別宣言

――今の率直な気持ちは?

株主と関係者に多大な迷惑をかけたことを深くお詫びする。会社としては不正の除去のため当局へ全面協力していく。だが、ガバナンスについて猛省すべきと考えている。ゴーン率いる日産との長年の関係者もおり、信頼を大きく裏切ることになったのは残念であり、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

これはもちろん、日本のみならず世界各国の従業員にも不安を巻き起こした。私自身、「日産リバイバルプラン」以降、日産のリカバリーに全身全霊を注いで全力でやってきたし、今もやっている。その中でこういう重大事案が確認されたことは、何と言ったらいいか。残念というよりもはるかに強い憤り、そして落胆ということを強く覚えている。

東洋経済のインタビューに答えるゴーン氏(撮影:尾形文繁)

――ルノー・日産・三菱アライアンスにも影響を与えるのか。

今回はあくまでも不正の除去であり、パートナーに影響を与えるものではない。むしろ緊密に連携して影響がないように努力する。ただ将来に向けては、極端に依存した個人から抜け出し、サステナブル(持続可能)な企業を目指すことができる。そういう意味で今回はよい見直しの機会になる。

ガバナンスに問題あり

――これまでの体制は何が問題だったのか。

ガバナンスには課題がある。日産の株式43%を持っているルノーのトップが、日産のトップも兼務しているのは問題だ。ここで私が言うべきかどうかだが、本事案で判明したゴーンの不正は、ゴーン統治の「負の側面」と言わざるをえない。一方、この19年で積み上げた財産はたくさんある。

ただゴーンとしての個人の力もあるが、従業員が努力してきた結果は大きい。苦労と努力の結果の(日産の)リカバリー(復活)であったと思う。将来に向けて受け継ぐべきものと、ゴーン統治の負の遺産として清算すべき部分については、時間をおかずに明確にしていきたい。

ゴーンが実力者として君臨した弊害は大きいと痛感している。目に見える形で問題を解消していくことしかない。

――ほかの役員はどういった感想を持ったのか。

実はほかの役員がこの件を知ったのはつい先ほどだ。「いったい何があったのか」という感覚だろう。状況をシェアしたのはとにかく「従業員、取引先が心配しているので、そこの業務を不安定にしないように全力を尽くしましょう」と。「役員が先頭に立って日常業務に影響が出ないようにリードしよう」ということだ。

――不正はいつから行われていた?

詳細は言えないが、長期にわたってだと思う。

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