日経平均反発でも銀行株が下落した理由 前週売られた半導体関連株には買い戻し

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 11月19日、東京株式市場で、日経平均は3日ぶり反発となった。16日の米国株が総じて底堅かったことで、直近売り込まれた半導体関連株が買い戻された。写真は東京証券取引所で10月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 19日 ロイター] - 東京株式市場で、日経平均は3日ぶり反発となった。16日の米国株が総じて底堅かったことで、直近売り込まれた半導体関連株が買い戻された。ただ、外部環境が不透明な状況は変わらず、円高や米中貿易摩擦への警戒感も依然として根強い。「中小型株や内需関連が物色されやすい」(国内証券)との声が出ていた。

米半導体大手エヌビディア<NVDA.O>がさえない決算を発表したことで先週末に売られたソフトバンクグループ<9984.T>や、ハイテク株の一角が反発した。ソフトバンクグループは5%超上昇。東京エレクトロン<8035.T>やファナック<6954.T>も堅調に推移し、指数を押し上げた。

市場からは「先行き不透明感は強いものの、ヘッジファンドの解約に備えた売りが前週で一巡し、需給が好転している」(国内証券)との声も出ていた。

TOPIXは反発。業種別では、鉱業、情報・通信、精密機器などが値上がり率上位にランクイン。半面、銀行、石油・石炭、パルプ・紙などが売られた。銀行セクターは、日米で長期金利が低下傾向となっており、利ザヤの縮小懸念が強まっている。三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>は3日続落となり、年初来安値を更新した。

前週末に米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が現在の引き締めサイクルが近く終了する可能性を示唆したことで、米金利が低下している。さらに「年末が近づき、国内の金融機関や機関投資家が保有資金の運用先を検討する中で価格変動が小さくなってきた日本国債が選好されやすい状況も、金利の押し下げ要因となっている」(みずほ証券のシニアマーケットエコノミスト、末広徹氏)という。

そのほか個別銘柄では、ミタチ産業<3321.T>が大幅反発。16日に2018年11月中間期の利益予想を上方修正したことが好感された。一方、イオンファンタジー<4343.T>は大幅安。16日、10月度の既存店売上高が前年比12.5%減になったと発表。足元の低調な売上状況を嫌気された。

東証1部の騰落数は、値上がり1289銘柄に対し、値下がりが756銘柄、変わらずが67銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      21821.16 +140.82

寄り付き    21679.03

安値/高値   21665.29─21852.92

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1637.61 +8.31

寄り付き     1627.96

安値/高値    1627.96─1640.73

 

東証出来高(万株)128646

東証売買代金(億円) 21367.88

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