ドン・キホーテ流ファミマが持つ個性の強み コンビニでも圧縮陳列の手法で攻められる

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ファミリーマートとドン・キホーテのコラボで出店した立川南通り店(撮影:真城 愛弓)
総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」が、一貫して快進撃を続けている。29期連続の増収増益(単体ベース、連結は22期連続)。売上高は1兆円にまもなく手が届く。さらに今年10月には総合スーパー「ユニー」の買収を発表し、日本の小売業において売上高4位という地位に躍り出た。一方でユニー・ファミリーマートHDがドンキホーテHDに資本注入するなど両社の複雑な提携も話題となり、ドン・キホーテの存在感は増すばかりだ。この「異端児的企業」の成功の要因を坂口孝則が『ドン・キホーテだけが、なぜ強いのか?』から明かす。

すべての小売りが「ドン・キホーテ化」?

最近では、ドン・キホーテはすべての小売業を「ドンキ流に塗り替える」かのような積極的な提携を重ねています。

たとえば、ファミリーマートはドン・キホーテ流のノウハウを注入した店舗を開いています。コンビニは通常、食品の売り上げのほうが大きいものです。そこに、ドン・キホーテの強みである日用雑貨を展開して訴求力を上げる狙いです。それにより若年層を呼び込もうとしています。

その対象店舗では、大半をドンキ品に替えるほどの徹底ぶりです。ドン・キホーテ特有の高い棚に、さらに、所狭しと商品を並べます。

ドンキ頼みなのはコンビニだけではありません。総合スーパーのユニーもそうです。スーパーの「アピタ」などをドンキ流で改革しました。買収に先駆けて、今年春に両社は共同店舗6店を出店しました。東海の店舗を刷新し、「MEGAドン・キホーテ UNY」と名付けた店舗です。ユニーでは各社員がドンキ流の店舗づくりやドンキ流の管理手法を学ぶ研修も受けるようです。

実際にMEGAドンキ化した店舗は好調です。改装にコストがかかると言っても、新店舗よりは抑えられます。食品の利ザヤが少ないものの、そこは非食品のカテゴリーで稼ぎ、その利益を食品開発に費やせば、商品の魅力を向上できます。

店舗によっては、地下を食料品に、そして地上階を雑貨類とし、営業時間も延ばしています。食料品を買う場所から、日用品も買う場所へ。そして、遊びにいく場所へ。まるでそれは、コト消費を志向している現代小売業の、1つの回答のように映ります。

ところで、各社とも効果はどうだったでしょうか。まず、ドン・キホーテとユニーが提携することで、どんな変化が起こったかを見てみます。業種を転換した6店舗で見てみれば、売上高は56億円から109億円へと成長を遂げました。さらに、客数も1万9000人から、3万3000人と増えました。

商品構成も変化しています。もともとは、衣食住のうち、「食」が圧倒的でした。衣:食:住=14.4%:67.6%:18%だったところ、比率を下げ、「住」が存在感を増しています。

衣:食:住=7.3%:57.7%:35%であり、この「住」には、日用雑貨や家電、レジャー商品などが含まれています。

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