「時給400円」で働かされていた外国人の悲惨 そもそも技能実習制度の役割はいったい何か
第3は、技能実習制度を形骸化させ、実習生を単なる労働力としてしか扱っていなかったということです。厚生労働省のホームページでは、技能実習制度について次のように説明されています。
すなわち、技能実習制度とは、国際協力や発展途上国への支援を目的とした制度であるということです。我が国は、受け入れた技能実習生に、技能や技術を伝え、自国に戻った時に活用してもらえるよう育成をする責務があります。
日立は技能実習生99人を解雇
しかしながら、大葉を巻く作業を所定労働時間が終わった後に延々と深夜まで行わせていたということですから、作業内容という面においても、労働時間という面においても問題があったのではないかと考えられます。そして、賃金は時給換算して400円にすぎなかったということです。
国際協力や発展途上国への支援という本旨にそぐわず、低賃金で長時間の単純作業を課していたということにも水戸地裁は悪質性が高いと判断したのだと考えられます。
さて、本件について3つの問題点から掘り下げてみましたが、技能実習生の受入れに関するトラブルは、本件に限った個別的、局所的な問題というとらえ方をしてはなりません。日本全国で類似の問題が発生しているのです。
たとえば、直近に発生した出来事として、日立製作所(日立)では、技能実習を継続できなくなったとして、フィリピン人の技能実習生99人を解雇しています。日立が、受け入れた技能実習生に対し、技能を学べる作業を行わせていなかったことが発覚し、以後の技能実習計画が認可されないない状況に陥ってしまったためです。
技能実習生側には何の落ち度がないにもかかわらず、日立が正規の実習計画に基づいた作業に従事させなかったため、日本での実習継続が困難となってしまったのです。ただ、日立は、中止になった技能実習期間の賃金を補償することを表明しているので、問題がある中でも、この点においては誠意ある対応をしていると言えるでしょう。
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