トランプ政権になって2年たちますが、当初からワタクシが指摘しているように、口だけは凄いんですが、やっていることは大したことがない、というのが実情です。つまり「勝手にやらせておいても格段問題がない」ということをアメリカ国民が認識しているということで、今回も元来アンチトランプで投票に行かねばならないはずのマイノリティーなどの投票率は極めて低い、という結果にそれが表れています。
トランプの岩盤と言われている支持層は「白人・大学卒未満」という階層で、この層の投票率は圧倒的に高く、しかもほぼ100%トランプ支持者という構図が明確になりました。彼らは「自分たちは有色人種のお陰で損をしている」と信じているわけで、これはもう理屈ではありません。
自分がうまく行かないことを人のせいにするわけですから、その意味ではお気楽で、それを支持基盤にしているトランプ大統領はなかなか手ごわい、と言うしかありません。ある意味オバマ大統領時代には、本当に割を食った、と信じ込んでいる人たちで、その反動が出てきている、というのは私が昔書いた通りです。以前プレジデント・オンラインにも書きましたが、トランプは「プロレス時代」に彼らを鼓舞するノウハウを身に着けた、といっていいと思います。何せアメリカは高校で進化論を教えない、という高校が一説によると50%あるといわれる国ですからね。本当にノアの箱舟があると信じている(!!)人がそんなにいるわけですから、普通の国ではありません(笑)。
これからの2年間はとりわけ移民政策に注目
問題はこれからの2年間ですが、この種のトランプ大統領による「脅し」は引き続き行われることになります。大統領令は片っ端から乱発することになりますが、議会がねじれたので、議会を通さねばならないようなものは何もできなくなってしまいます。
その分、過激になる可能性は十分で、特に移民政策は非常に注目です。これはアメリカにいるとよくわかることなんですが、もし、妙な移民抑制政策をとればアメリカ経済そのものが回らなくなります。
実際、トランプの経営しているホテルで働く人々は80%以上が移民だ、というデータもあるくらいで、毎日ベッドメークをしたり、庭掃除をしたり、ホテルからでるごみ処理をしたり……という仕事は移民に支えられているのです。
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