高級ダウン「カナダグース」、人気ゆえの悩み 日本総代理店の幹部に聞くブランドの今後

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――この数年でかなり値上がりしました。来秋冬シーズンもすでに値上げが決まっているそうですね。

平均すると今年よりも1割ほど定価を上げる予定です。日本が勝手に吊り上げてるわけじゃなくて、本国の値上げに伴う価格改定です。カナダ国内の工賃や素材のコストが上がっているのと、あとは為替の変動も大きいので。ただ、確かに以前と比べたら高くなりますが、それでも製品のクオリティを考えると、僕は決して割高な価格設定ではないと思っています。

上場企業になっても、こだわりは不変

――カナダグースは北米で急速に直営店を増やし、中国にも本格進出します。株式を上場したのを機に、企業としての成長をかなり強く意識し始めたように感じます。

それはあるかもしれません。ただ、メード・イン・カナダや品質、機能への強いこだわりは、まったくぶれていません。そこは本当にすごいと思う。

カナダグースは昨年、創業60周年を迎えた(撮影:尾形文繁)

――これから先、カナダグースはどんなブランドになろうとしているのでしょうか。

彼らが目指しているのは「ラグジュアリー・パフォーマンス・ブランド」。いわゆる機能ファーストなんですよ。きらびやかな服じゃなく、どんな状況下でどんな人も快適にすごしてもらえるブランドという意味です。冬のダウンパーカーに関しては、かなりいいところまで来た感じはします。

課題を挙げるなら、ダウン以外の商品展開でしょう。実は、春にも使えるレインジャケットやニットなど、新しいジャンルへの挑戦もすでに始めています。日本はそうした新ジャンルの製品を先行して取り扱っている国の1つで、来年からもっと本格的に展開していく予定です。

渡辺 清治 東洋経済 記者
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