「不審者出没が多い駅」、都府県別1位はどこか

1年分の情報集計、全国の10件以上の駅を公開

不審者情報の公表は福島県警を除く各都道府県の警察が行っているが、情報公開に積極的かどうかは各警察で大きな違いがある。このため、情報の件数ベースで集計すると、警察が積極的に公表している都道府県の駅が上位に入りやすい。積極的に公表しているのは大阪府警や兵庫県警だ。

昨年までは埼玉県警も積極的で、不審者の出没エリアも細かく公開していたが、残念ながら今年に入って公表件数が減少するとともに、出没エリアについても「〇〇市」レベルの広いエリアになってしまい、情報公開という点では大きく後退した。情報がなければ、住民にとって不審者は見えない存在になってしまう。

日常に潜む不審者の姿は情報によって可視化され、さらに継続的に集計することでその特徴も見えてくる。今回の集計で、東京都内で不審者事案が最も多かった東武伊勢崎線の梅島駅は、昨年12月26日付の記事において「下半身露出」の不審者情報がもっとも多かった駅(6件)として取り上げているが、今回も17件中9件が下半身露出だった。

不審者はどこにでもいる

集計データからは、必ずしも人の多く集まる主要駅周辺だけでなく、意外とも思われるような駅周辺でも不審者の出没があることがわかる。たとえば件数ベースでは6位(23件)のJR御殿場線下土狩駅(静岡県)は、1日の乗車人員が1300人程度の小駅だ。2016年3月に開業したJR仙石線の石巻あゆみ野駅(宮城県)も16件あった。

ただ、これには警察の情報の出し方や、日本不審者情報センターの施設登録の方法も影響している。

下土狩駅の場合、静岡県警は不審者の出没地点を同駅がある「長泉町下土狩」と出す。日本不審者情報センターはこれを受けて出没地点を長泉町下土狩とし、出没地点周辺の主要な公共施設として下土狩駅を登録する。ところが、長泉町下土狩は東西・南北に数キロという広いエリアだ。実際の出没地点は駅から離れていたとしても、集計上は下土狩駅周辺の不審者情報としてカウントすることになる。

今回の記事では出没エリアの近隣施設に駅が含まれる場所を取り上げているが、出没地点の周辺に駅がある場合とない場合はおおむね半々で、都市部の主要駅周辺でも、近くに駅のない農村の集落でも不審者の出没事案は起きている。

不審者が関係する事件などが発生した際、よく聞かれるのが「まさかうちの近所で」といった言葉だ。だが、実際には不審者の出没事案は全国どこでも発生している。「まさかここでは……」と思わず、交通事故がどこでも起こりうるのと同様、不審者はどこにでも現れると思って注意することが重要だ。

そのために重要なのはやはり情報の公開だ。特に、現状では駅や電車内での不審者情報がほとんど出てこない。2013~2015年に警視庁が検挙した痴漢行為のうち、約82%にあたる3079件は列車内と駅構内で発生していることが筆者の調べで明らかになっている(2016年12月8日付「独自調査、痴漢検挙の82%が鉄道内だった!」)。被害状況を明らかにし対策を講じるうえで、これらの発生情報の公表もぜひ検討してもらいたい。

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