外国人が殺到する「ジャパン・ハウス」の正体 あのYOSHIKIやウィリアム王子も訪れた

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ジャパン・ハウスが大人気を博しているサンパウロは、南米のビジネスの中心であるブラジルの中心都市で、世界最大規模の日系コミュニティが存在する。また、市内には美術館や骨董市などが所在するなど、文化活動が盛んな土地柄だ。

こうした特徴豊かな世界のハブに日本の対外発信拠点を設け、日本に関するコンテンツを流したり、モノを売ったりすれば、外国人も自然と日本に興味を持つようになると踏んだわけである。

運営は現地の民間企業に委託

展示やショップの内容も各拠点の関心を意識したものとなっており、たとえばロンドン館では、「燕三条金属の進化と文化」をテーマに記念行事を開催し、イギリス王室からはケンブリッジ公爵殿下が来館した。また、サンパウロ館では無印良品が出店するなど、ファッションに力点を置いているほか、展示では合気道や剣道、空手、柔道、相撲など日本の伝統スポーツに関する歴史や技術などの紹介を行った。

一方、ロサンゼルス館には、ユニークな日本製品を扱う店舗があるほか、セミナーや講演会、地域の日系コミュニティなどと連携した食のイベントなどを開催している。今後も各拠点で、日本による国際貢献に関する展示や日本語教育、日本ブランドの発信、新たなトレンドやポップカルチャーを紹介する展示などが企画されている。

ジャパン・ハウスは、運営方法も実に戦略的で、外観デザインこそ日本人が手掛けているものの、内装設計や運営はすべて現地の民間企業に委託している。民間運営にすれば、一般市民に親しみやすくなるほか、入場料を徴収したり、館内での物販や飲食店も可能になるため、政府の負担が軽減される。また、現地の会社であれば、よりその国の人の関心にマッチした展示やイベントを行うことができるなどのメリットがあるからだ。

何より重要なのは、日本政府が前に出ないことである。もし政府プロジェクトのイメージが前面に出てしまうと、「日本が世論工作をしている」とか、「巨大なプロパガンダ施設だ」などと受け止められかねない。

これまでのところ、現地でも評価する声は多い。たとえば、ロサンゼルス館の名誉顧問に就任した、オクラルの共同設立者、会長兼CEOのラリー・エリソン氏は、ジャパン・ハウスを「日本に関心を持つ人々を増やし、心ときめく日本の文化的体験を提供してくれる場」と評し、「アメリカで日本を実現することで、北米で暮らすわれわれにとって格別の恩恵をもたらしてくれる」と語っている。

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