カルソニック、8000億円買収は成功するのか 自動車部品でトップ10狙うも遠い独勢の背中

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自動運転モードに対応したカルソニックカンセイの次世代コックピットモデル(写真:カルソニックカンセイ)

カルソニックは運転席回りのコックピット複合部品(モジュール)や熱交換器などを得意とし、日産が展開する北米やアジアを中心に全世界に80以上の拠点を有する。

一方のマレリはFCAが幅を利かせる欧州、南米を主力に、コネクテッドカー(つながる車)に必要な電子制御ユニット(ECU)といった電子部品やライトなどに強みを持つ。「吸排気系など一部製品に重複はあるが、地域的にも製品ラインナップでも両社は相互補完できる」(カルソニック広報)と統合による効果を説明する。

「CASE」への対応を迫られるサプライヤー

世界の自動車部品業界では、ボッシュ、コンチネンタル、ZFなどのドイツ勢が特に積極的なM&Aを展開し、メガサプライヤー化する流れが加速している。その背景には、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)と呼ばれる次世代技術への対応が急務になっていることがある。

例えば、自動運転では従来の機械系部品だけでなく、センサーや半導体など電子系部品も含めた総合的な技術が要求される。あらゆる技術領域に1社の既存技術のみで対応するのは時間的・資金的に難しく、M&Aで「技術と時間を買う」のは合理的な選択と言える。

一方で、日本の部品メーカーはトヨタ自動車系列のデンソー(売上高5兆1000億円)やアイシン精機(同3兆9000億円)など一部を除き、大手であっても売上高1兆円未満の企業が大半で、小粒感は否めない。

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