カルソニック、8000億円買収は成功するのか

自動車部品でトップ10狙うも遠い独勢の背中

カルソニックカンセイは、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の部品子会社を約8000億円で買収する(写真:カルソニックカンセイ)

買収金額は62億ユーロ(8060億円)――。自動車部品大手のカルソニックカンセイ(カルカン)は、10月22日、欧米の自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)から部品部門のマニエッティ・マレリを買収すると発表した。

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日本の自動車部品業界では過去最大規模のM&A(合併・買収)だ。両社合計の売上高は1兆9750億円(2017年度実績)に達し、世界トップ10に迫る自動車部品メーカーが誕生する。とはいえ、売上高首位のボッシュは約6兆円(自動車部品部門)と、規模や研究開発力でも世界上位の背中は依然遠い。大型買収に勝算はあるのか。

脱「日産依存」を急ぐカルカン

アメリカの投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)傘下で、カルソニック親会社のCKホールディングスが買収する。詳細は今後詰めるが、新会社「マニエッティ・マレリCKホールディングス」の下にカルカンとマレリがぶら下がる形態が想定される。2019年上半期中にも買収を完了させる見込み。新会社は、FCAと複数年の部品供給契約にも合意する予定という。

かつて「日産の御三家」と呼ばれたカルソニックとカンセイが合併して誕生したカルソニックは、日産自動車系列では最大手の部品メーカーだった。日産が経営危機に陥った後の2000年代初頭に同社のカルロス・ゴーン社長(当時、現会長)が進めた系列解体の対象ではなかったが、2017年に日産がKKRに全株を売却。KKR傘下に入り、日産系列を離脱した。

カルソニックカンセイのベダ・ボルゼニウスCEOは今回の買収が競争力向上に繋がると期待を寄せる(写真:カルソニックカンセイ、2018年8月に開かれた同社の創業80周年記念式典で撮影)

ただ、現在も売上高の8割超を日産に依存する。日産の生産・販売動向から大きく影響を受ける事業構造からの脱却が課題だ。このため、2021年までの中期経営計画では顧客を多様化させ、日産向け売上高比率を7割程度まで引き下げることを目標に掲げる。マレリの顧客にもカルソニック製品を拡販することが可能になる今回の買収には、脱「日産依存」を急ぎたいカルカン側の狙いも透けて見える。

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