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「雑な暗殺」疑惑に騒然、サウジ皇太子の末路 週末に事態は急展開の可能性

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  • 池滝 和秀 ジャーナリスト、中東料理研究家
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知人の1人は「(カショギ氏は)サウジの最も繊細な問題について任されており、スーパーエリートの一員だった。あまりにも知りすぎてしまったのだろう」と暗殺対象となった原因を解説する。王族の腐敗や過激派との結び付き、王室の内紛について知っていた可能性があるという。さらに情報機関とも関係があったことから、漏洩されれば王室の脅威になるような情報も持っていたようだ。

一方、サウジはカショギ氏のジャーナリストにはとどまらない活動を恐れていたとの情報もある。 中東の著名なジャーナリストで、長くロンドン発行の汎(はん)アラブ紙アルクッズ・アルアラビの編集長を務めたアブデル・バリ・アトワン氏は、自身のメディア、ラーイ・アルヨームで、カショギ氏が「ファジル(夜明け)」と名付けた人権団体を設立しようとしていたため、サウジ情報機関は暗殺を決めたと書いている。カショギ氏は、アラブやサウジの反体制派を糾合し、トルコ政府の庇護の下でイスタンブールに拠点を置いて活動する予定だったという。

国王死去によってサウジ王室で内紛も

カショギ氏には、大富豪で投資家のアルワリード・ビンタラール王子ら王室内に多くの知己がいる。このような人物が反体制的な団体を、サウジと対立するトルコの庇護下で設立することを、許されざる裏切りとムハンマド皇太子らが考えたのではないか。

また、カショギ氏は、サウジ王室が嫌悪するイスラム主義組織、ムスリム同胞団に親近感を抱いていたとの証言もある。同胞団という草の根の支持を持つ組織は選挙に強いが、カショギ氏は民主主義の重要性も説いていた。同胞団をかくまうトルコで反サウジ団体の立ち上げを目指し、政権批判を続けたカショギ氏は、サウジ王室にとって同胞団の利益を代弁するジャーナリストであり、活動家とみなされた可能性がある。

カショギ氏を葬り去ることに成功したサウジだが、国王の座を狙うムハンマド皇太子が現在の地位を維持できるかどうかは不透明になってきた。

サウジでは昨年秋にムハンマド皇太子が主導して王族や経済界重鎮らを一斉に拘束、資産を没収するなど腐敗一掃の名の下に、敵対勢力を排除した。サウジ識者が筆者に語ったところでは、今回の動きを受けて、皇太子の反対勢力が勢いづいているという。サルマン国王には健康不安説もつきまとい、死去した場合、サウジ王室で内紛が勃発する可能性が高い。

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