小さなビジネスを大きく膨らませるための秘訣は――。そう尋ねてみると、「何よりも人づくりです!」と狩野は即答した。
20代の若手の頃、先輩から「仕入れ先や販売担当エリアのそれぞれに、1人ずつでもよいから腹を割って話せる人をつくれ」と指導され、愚直に実践した。そのときに培った人脈は、今でも狩野を支えている。ざっくばらんに相談ができるだけでなく、人を紹介してもらうなど、実際に手助けしてもらうこともある。そこから、新しい商談につながったケースも多い。
北島三郎が歌う「歩」のように
信頼し合える人間関係をつくるため、狩野は2つの習慣を心掛けている。
ひとつは、忙しいときでも“忙しい自分”を決して表面に出さないこと。多忙な素振りをしていては、周囲も誘いかけてはくれない。「めちゃくちゃ暇です、という言葉が口癖になるぐらいでちょうどいいと思う」(狩野)。
2つ目は、年上・年下にかかわらず、他者を尊敬する心を持ち続けること。
「相手に好印象を抱いてもらうには、テクニックよりも、まずは自分がその人を好きになってしまうこと」と狩野は言う。
座右の銘は「肩で風切る王将よりも、俺は持ちたい歩の心」。北島三郎の名曲「歩」の一節だ。成功しても驕らず、素直に人を尊敬できる心を持ち続けることが、営業マンの最前線を突っ走る狩野の信条である。
(撮影:尾形文繁)
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