生意気すぎる部下を掌握する社内政治のキモ

正面を切って戦い続けるのは不毛なやり方だ

特に、部下にとって新しい概念や技術を伴う仕事の場合、自力で新しい知識を身に付けるには時間がかかります。そこで効率化のために、最初から部下に最善の答えを与え、それをそのままコピーできるように指導します。

私はかつて部下に「自分で考えてくれよ」と言って、部下の答えが出るまでいつまでも待つような指導をしていましたが、その方法ではあまり成果は出ず、部下の不満も募りました。

部下にとって新しいことはいくら時間をかけて考えても正解が出ないからです。だったら考える時間が無駄になります(当然、すべて無駄ではないでしょうが)。

今では「自分で考えてくれよ」とはあまり言わず、「正解を覚えてくれよ」と言っています。コーチが選手に「自分で考えて最良のスイングをやってみなさい」と言っても、いくら時間をかけてもその選手のスイングが自力でプロ並みにうまくなることはないでしょう。うまくいく、合理的なスイングをコーチがまず見せ、なぜ良いのかを理由とともに説明し、選手がそれをまねして体得していくのが早道です。

仕事も同じです。

上司が最善のやり方を提示し、それを部下がまねて体得することが、能力向上の早道なのです。

攻撃的で生意気な部下をいかに手なずけるか?

それでも、なかなか素直に指導に従ってくれない部下にはどうすればいいのでしょうか?

チームを組成し、運営していくために、リーダーは強いリーダーシップを発揮していく必要があります。部下メンバーに絶対的な力を見せて納得させないと、チームの統制が弱まり、言うことを聞かない部下が好き勝手に動いて、社内政治力を弱める原因にもなりかねません。

会社にはさまざまな性格、バックグラウンドを持つ人間がいます。その人物が坂本(仮名)でした。彼は入社10年目でした。坂本が部下として異動してきてすぐに坂本の問題が明らかになってきました。

坂本は、癖のある人間でした。頭の回転はいいのですが、人を小馬鹿にするような言動があり、私やほかのメンバーの言うことにいちいち反論をするのです。反論自体はかまわないのですが、反論自体が論理的ではなく、自意識過剰な主張なのです。自分の能力以上に仕事ができると思い込んでいる感じで、典型的な困った部下でした。

坂本は、このような性格だったので、これまで多くの上司や同僚から変なヤツと思われ、好かれていませんでした。

私は、頭がいいのにもったいない。ちょっと改造しないといけないと思ったのです。そこで、私は一計を案じることにし、タイミングを待っていました。

次ページ厳しく言えば言うほど反抗する坂本…
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