通勤ライナーとマンション価格の微妙な関係 「停車の有無」はどこまで反映されているのか

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運賃に上乗せされる通勤ライナーの利用料金については、ロマンスカーのように距離に応じて料金が変わるタイプと、どの距離でも一律300円(ウィング号)や400円(京王ライナー)といった固定タイプがある。また、着席位置に関しては京王ライナーなどのような座席が指定されているタイプと、TJライナーなどのように着席の保証のみで座席指定ではないタイプがある。

東武鉄道が運行する「TJライナー」。満席となる列車もあるほど、通勤客の人気は高い(写真:東武鉄道)

利用状況は各社とも総じて良好だ。2017年度における東武鉄道「TJライナー」の下り列車平均乗車率は87%。この数字には利用が少ない月曜深夜発の列車も含まれており、満席となる列車も多数あるという。京王ライナーも「平日の乗車率は8割程度。0時台の最終列車を除けば9割程度まで高まる」(京王電鉄広報)。

速達列車の停車駅はマンション価格も高い

特急や急行などの速達列車が止まる駅は通勤に便利というだけでなく、駅ビルや近隣の商業施設が充実していることが多く、住宅選びの際にも人気が高い。そのため「特急や急行が停車するような利便性が高い駅は、新築や中古のマンション価格が高くなる傾向がある」と不動産調査会社・東京カンテイの井出武上席主任研究員は説明する。

(注)数値は築10年マンションの中古流通時(2017年)70㎡平均価格(万円)。―はデータなし。起点駅からおよそ55km圏内の駅が対象。黄色は各ライナー停車駅。起点駅に比較的近い駅から記載していない場合がある。列車によっては記載以外の駅に停車したり、記載駅に停車しなかったする場合もある。所要時間は起点駅から図中の最終停車駅まで通勤ライナーを使った場合で、あくまで目安(出所)東京カンテイ、鉄道各社のホームページ、時刻表などを基に本誌作成
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