個人投資家が逆らわない方が良い法則とは? 日本株は反転するかさらに下げるか迷う局面
では、こうした原則を確認したうえで、足元の日経平均株価を分析してみよう。長期トレンドを示す200日線はほぼ横ばいだが、より長い52週線はまだ右肩上がりだ。足元の下げは「長期上昇局面のなかの短期調整」の見方もできよう。当面のテクニカル面からみた日経平均の下値メドは2万2400~2万2700円程度か。
米長期金利の高止まりや11月6日の米中間選挙への警戒感から持ち高を調整する動きが急速に強まったが、筆者はここからの下値は限定的とみている。節目となりやすい主なポイントを見てみよう。
1つ目は2万2764円。これは2017年末値で、10月11日時点で年初来マイナス圏に沈んだことから、利益確定にともなう五月雨的な売りは一巡するとの見方もできよう。2つ目は2万2508円。これは長期投資家の損益分岐点ともいえる200日線。2018年相場では200日線を一時的に下回る局面があったものの、結局はその直後に反発している。3つ目は2万2444円。これは直近の上げ幅3653円(3月安値2万0617円から10月高値2万4270円)に対する半値押し水準だ。11日の日経平均株価は一時2万2459円まで売られた(上記の2つのポイントを一時的に突破された)ものの、終値ベースでは200日線を回復している。
海外勢の「日本株買い戻し」は進むか
なお、2018年の海外勢は直近買い越し基調となっているが、年間ベースでは差引7兆円近くも売り越している。今後、好調な国内企業の中間決算が出始めれば、海外勢の買い戻しが一段と進む可能性もある。また、8月のトルコリラ急落のあおりを受け、日本株を空売りした投機筋も少なくない。信用取引買い残高(東証、名証)は2兆7000億円台へ今年最低水準まで減少しているなか、売り残高は9000億円台を維持している。金額ベースでみた信用倍率(同)は3月のピークだった4.8倍から約3倍まで改善しており、買い方の戻り売り圧力が和らぐなか、当面は売り方の買い戻しが相場を下支えしそうだ。
また、引き続き日銀が連動型上場投資信託(ETF)の買い入れをしている。「年6兆円ペース」から鑑みると、2018年9月時点で計4兆1000億円と年内までの買い入れ余力は約1兆9000億円。仮に月ベースの買い入れ額を6333億円程度とすると、1回当たり買い入れ額の700億円程度で消化するには月9回の買い入れが必要となる。およそ2営業日おきとなる計算だ。実際、10月に入り、日銀は8営業日のうち、4回買い入れをしている。
このように、テクニカル面からみると現時点では「長期スパンでの上げ相場における短期調整」ともみてとれる。今後、国内企業の中間決算が始まるなか、業績面からの見直し買いも下支えしそうだ。今年2月のVIXショック以来となる1000円近い下げ幅となったが、このまま硬直的な下げは続かないだろう。売り一巡感から反発するタイミングは近いとみる。最後に今後の日経平均株価のテクニカル上の重要な価格を挙げておこう
(10月11日時点)。
2万4270円 2018年10月高値(年初来高値)
2万2764円 2017年末値
2万2710円 75日線(中期線)
2万0617円 2018年3月安値(年初来安値)
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