「ホワイトニング」本当は怖い健康被害の実態 個人輸入の薬剤を使い歯肉がボロボロに

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ホームホワイトニングは安全な低濃度の薬剤を使用してご自身で行う方法です。薬剤が歯肉にはみ出ないように、歯科医院で個人の歯形に合った専用のマウスピースを作り、そこに自分でジェルを流して装着します。

ただし、どうしても薬剤量のコントロールが難しいので、はみ出てしまうことも。そんな場合でも歯肉に悪影響が出ないように濃度を低くして安全性を保っています。そのため、オフィスホワイトニングに比べて白くなるスピードはゆっくりですが、白さの維持力が長いとも言われています。そんなことから、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用して行う方法をとるクリニックもあります。

医療機関以外での施術でトラブル多発

街で「ホワイトニング専門クリニック」や「ホワイトニングサロン」をよく見かけます。一般の人から見るとどちらも一緒のように思えますが、この2つはかなり違うので注意が必要です。「ホワイトニング専門クリニック」は歯科医院。そのため、そこには必ず歯科医師が在籍していますし、国家資格を持った歯科衛生士と一緒に安全なホワイトニングを行ってくれると思います。もちろん前述した基本的な検査や虫歯治療なども行ってくれるでしょう。

しかし「ホワイトニングサロン」は医療機関ではないところが多く存在します。法的に「医院」や「クリニック」といった名称をつけることができないので「サロン」などとしているのかもしれません。医療機関でもないのにどのようにしてホワイトニングを行っているかというと、あくまでも「ご自身で行うホワイトニングの場所提供」なのだそうです。「セルフホワイトニング」ともいわれています。

最近はスポーツクラブや美容サロンでもこのセルフホワイトニングを行えるようですが、トラブルが多いようでご相談をいただくこともあります。まつげエクステがトラブル多発で美容師しかできなくなったように、もしかしたら何らかの指導が入るかもしれません。

つい最近来院された患者さんは歯肉が白くただれており、「痛みが強く耐えられない」と相談にいらしたのです。よくよく話を聞くと、昔歯科クリニックでホームホワイトニング用に作ったマウスピースに、海外通販サイトで購入したホワイトニングジェルを入れて装着し、いつものようにお休みになったそうです。

ところがその購入したジェルはホームホワイトニング用の濃度が低いものではなく、オフィスホワイトニング用の高濃度のジェルでした。本来はメーカーやディーラーを通して医療機関しか購入することができないものです。通常20~30分ほどしか使えない高濃度のジェルを6時間以上も歯につけていたのですから大変。幸いエナメル質や神経への影響は今のところなく経過観察中です。

輝く白い歯を手に入れ最高のスマイルで好印象を与える!そのためには、きちんとした知識を身に付けたうえで安全に行わなければ健康被害も出てしまうので注意が必要ですね。

梅田 和徳 医療法人社団 京和会 KU歯科クリニック 理事長

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うめだ かずのり / Kazunori Umeda

医療法人社団京和会KU歯科クリニックグループ理事長。日本歯科大学新潟生命歯学部 口腔インプラント科臨床講師。1970年、新潟県三条市生まれ。1994年、日本歯科大学を卒業後、医療法人弘進会に勤務。1996年、東京都世田谷区三軒茶屋にて梅田歯科を開院。1999年、医療法人京和会を設立しKU歯科クリニックに名称変更。2012年、臨床研修指導歯科医となり、渋谷院、世田谷院が厚生労働省認定臨床研修施設となる。現在、渋谷、青山、銀座など都内7カ所の医院の理事長として歯科治療を行い、またメタル不使用の技工所を経営しながら全国各地でセミナー・講演活動や執筆活動を行っている。著書に『インプラント治療のすべて 「インプラント」のこと、本当に知っていますか?』(幻冬舎ルネッサンス)、『歯があなたの人生を左右する ~プロが教える歯で損をしない方法~』(ゴマブックス)。

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