「言った、言わない」で争う営業に欠けた視点

ビジネスで「察してほしい」は通用しない

「言った、言わない」のトラブルを防ぐコツとは?(写真:shimi/PIXTA)
営業、交渉力などの研修講師として5000人以上を指導してきた大岩俊之氏による連載「すぐに使える営業の心理学」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

日本人はあいまいな表現を好む

営業マンは「言った・言わない」など、お客さまとの揉めごとは、絶対に避けなければなりません。しかもなぜか、この手の揉めごとは、新人よりも仕事に慣れた人の方が起こりやすいので、中堅以上の営業マンでも注意が必要です。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

今回のテーマは、「ロジカルコミュニケーション」です。アメリカの文化人類学者であるエドワード・T・ホールが唱えた「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」という区別方法を例に挙げながら、説明していきます。

「ハイコンテクスト文化」とは、伝える努力をしなくても、お互いに相手の意図を察しあうことで、なんとなく通じてしまう文化のことです。あいまいな表現が多く、あまり多くを話さない傾向にあります。ハイコンテクスト文化の筆頭は、まさに日本人です。

一方「ローコンテクスト文化」とは、明確に言語によってコミュニケーションを図ろうとする文化のことです。直接的で分かりやすい表現を旨とし、寡黙であることを評価しない傾向にあります。ローコンテクスト文化は、ドイツ人、アメリカ人、フランス人などがメインとなります。

この日本人特有のハイコンテクスト文化は、会社での仕事の進め方だけではなく、人との付き合い方、家族間の会話など、日常生活にも浸透しています。なので、仕事でのやり取りがあいまいになってしまうのは、ある意味仕方ないことなのかもしれません。よくあるやり取りは、「空気を読めよ!」「雰囲気で察しろ!」「1つ聞いたら、大体分かるだろ!」「何年働いているんだ!」「あれあれ、それそれ!」「いつものようにお願いします!」といったものです。

しかし、これらの言葉は本来、ビジネスの現場ではあってはなりません。特に、お客さまとやり取りをする営業マンが、きちんと事実を確認せずに仕事を進めることは、ミスを誘発する原因にもなります。明確な情報を把握していないということは、お客さまに迷惑をかけるだけではなく、会社に多大な損害を与えることにもつながるのです。

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