「トヨタ×ソフトバンク」誕生の大きな意味 「自動運転×ライドシェア」が世界を変える

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筆者は、9月13日の午前中、アメリカの半導体メーカー、エヌビディア(NVIDIA)のGTC Japan年次コンファレンスで同社ジェンスン・フアンCEOの2時間以上にも及ぶ基調講演を聞いた。

AIコンピューティング企業であるNVIDIAは、米メガテック企業6社FANNGである、フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、エヌビディア、グーグルの1社でもあり、自動運転テクノロジーの”陰の支配者“と目される企業だ。

同社はトヨタやウーバーなど450以上の企業・団体と手を組み、自動運転技術の開発にも携わっている。ソフトバンクが出資している企業の1社でもある。ほとんどすべての自動車会社がNVIDIAの自動運転テクノロジーを必要としており、次世代自動車産業全体を鳥瞰するポジションを築いている。NVIDIAから見れば、どの企業が自動運転の開発が進んでいるのか、出遅れているのかは一目瞭然なのだろう。

「トレーニング×シミュレーション×ドライビング」という3つのプロセスを強調したフアンCEO。これまでの膨大な走行ビッグデータ×AIの解析をもとに(トレーニング)、シミュレーションでの解析により自動運転開発プロセスをスピードアップさせてきているのだ。

NVIDIAによる自動運転の映像を見ていると、それがリアルな映像なのか、ゲームの映像なのか、それともシミュレーションによる映像なのか、もはや区別がつかない。

「次世代の自動車は自動運転の能力を得ていくだろう。きっと、自動運転機能がない車は『アンティーク』のように感じられるようになる。2年以内には、自動車がみずから車線に沿って走ったり、止まったりすることは、当たり前に感じるだろう」

フアンCEOは自動運転実用化のタイミングを2年以内と宣言し、そのスタートをそれ以前になると示唆した。NVIDIAにおける自動運転を巡るディープラーニングのプロセス全体がデジタル化し、自動運転のテクノロジーの進化は破壊的な段階に入ってきた。「自動運転開発のプロセス自体がすでにデジタル化した」ことを感じさせる基調講演だった。

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