「トヨタ×ソフトバンク」誕生の大きな意味

「自動運転×ライドシェア」が世界を変える

日本企業で時価総額1・2位の両社が手を組んだ?(撮影:風間 仁一郎)

「将来のMaaS事業の発展については、既存のライドシェア事業者と提携することが重要と考えた」

10月4日、都内で開かれたトヨタ自動車とソフトバンクの提携発表会見。壇上に立ったトヨタの友山茂樹副社長は、報道陣との質疑応答のやり取りにおいてこんなコメントを残した。

トヨタとソフトバンクによる世紀の提携を読み解くカギは、ずばり、「自動運転×ライドシェア」にある。自動車会社の源泉だったエンジンを中心とするハードウエアの高性能化を競う構図は崩れ、会見で何度となく2社の首脳が口にした「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」と呼ばれる移動の快適性や利便性に移る。

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次世代自動車産業は、クルマ、IT、電機、通信、電力、エネルギーなどのさまざまな業種が融合し、全産業の秩序を激変させる異業種戦争の攻防となる。筆者としては、2社提携のニュースは、至極自然なものに感じた。

拙著『2022年の次世代自動車産業』においても「トヨタとソフトバンクから占う日本勢の勝算」という章を設け、2社の競争優位や関係性を論じた。いくつかのメディアにおいては、2社の合併可能性まで含めて論じてきた。

それは、

① テクノロジー企業vs.既存自動車会社の戦い
② 日本、アメリカ、ドイツ、中国それぞれ国の威信をかけた戦い
③ すべての産業の秩序と領域を定義し直す戦い

という3つの要素をもつ次世代自動車産業の攻防では、巨額の開発予算をも示唆する「時価総額」というゲームのルールにおいて、日本勢はアメリカと中国の主要企業から大きく見劣りする状況からも明白だった。

時価総額で米中に見劣りする日本勢

トヨタとソフトバンクは、これまでであればありえなかった組み合わせであり、これからを考えれば日本にとって必須の組み合わせであるからこその、「世紀の提携」なのだ。本稿では、トヨタとソフトバンクの提携について、「自動運転×ライドシェア」という視点から考察してみたい。

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