5分でわかる!いまどき受験と進学の新常識 東大より医学部!?"受験エリート"の条件は?
最難関大学受験においては、首都圏でも関西でも、鉄緑会という塾が圧倒的な強さを見せる。筑駒、開成、桜蔭、灘など、東大合格ランキング上位校のさらに成績上位層が通うハイエンドな塾だ。2018年の東大理Ⅲ(医学部)合格者のうちなんと6割以上を鉄緑会出身者が占めていた。しかし鉄緑会もやはり負荷が高い。学校の勉強との両立に失敗すると子どもが潰れてしまうことがある。
サピックスで対策して、超難関中高一貫校に入学し、鉄緑会に通うというのが、“受験エリート”の王道だ。しかも彼らの多くが、幼少期に公文式に通っていたという証言もある。毎日決められた大量の課題をコツコツこなす処理能力と忍耐力、そして与えられた課題に疑いを抱かない従順さが、“受験エリート”の3条件であり、公文式はそれらを鍛えるのにもってこいなのだ。
東大合格者数だけではわからないいまどき受験事情
大学受験塾や高校を見比べるデータとして、東大合格者数が用いられることは多いが、注意も必要だ。塾や予備校の合格者数にはダブりが多い。東大に合格する可能性が高い優秀な受験生は、多くの塾や予備校から授業料が減免される「特待生」の優遇を受け、複数の塾のおいしい授業をつまみ食いできる。その代わりに「合格1」を各塾にばらまいているのだ。
また昨今は、京大や医学部の人気も高まっており、偏差値上、東大と遜色がない。東大合格ランキングを見ていると首都圏の私立中高一貫校が上位を独占するが、東大・京大・国公立大医学部の合計合格者数でランキング(拙著に掲載あり)すると、上位校の顔ぶれが大きく変わるので、東大合格者数だけに惑わされないでほしい。
「東大より医学部」という選択は増えている。ただし私大医学部は学費がべらぼうに高い。国公立大医学部は狭き門。そこで医師を目指す高校生にいま注目されているのが、ハンガリーやチェコの国立大学で医学を学ぶという選択だ。生活費を含めても日本の私大医学部に行くよりも安上がり。6年間の勉強を終えて日本で国家試験を受ければ、日本の医師免許が取れる。しかも入試は日本の医学部ほど難しくない。入試科目に数学がない。海外大学進学のリスクを前述したが、どうせ海外大学に行くのなら、これくらい明確な目的があったほうがいい。
以上、できるだけコンパクトにまとめるために、かなり大胆に言い切っている点が多いことはご了承いただきたい。
情報過多の時代である。情報に振り回されてはいけない。しかし情報を得ようともせず、過去の経験則あるいは思い込みで判断するのはもっと危険だ。子どもたちの目の前で起きている変化の本質が何なのか、どんな道にどんな可能性があるのか。大人たちはそれを説明できなければいけない。そのうえで、子どもたちが納得して自分の道を選べるようにサポートしてほしい。
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