日本がついに「北朝鮮」への投資を決めた事情 GTI加盟は日朝首脳会談へのチケットなのか

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GTIは公式にはマルチセクターの開発枠組みとなっているが、実際の案件は北東アジアにおける交通・物流インフラの建設に絞られている。加盟国は現在、中国、ロシア、モンゴル、韓国の4カ国。当初は北朝鮮も加盟していたが、経済支援が得られないことに落胆し、2009年に脱退した。一方、日本はこれまでGTIの会合にオブザーバーとして参加してきた。

GTI諮問委員会は今年6月の会合で、改めて日本と北朝鮮に対し加盟を呼びかけている。

韓露日のトロイカ体制?

同会合で採択された「ウランバートル宣言」は、「北朝鮮、および日本との協力関係の強化が必要」と述べ、「日本がGTI加盟を検討していることを歓迎する」のと同時に、北朝鮮には「できるかぎり早期の再加盟を検討する」よう促している。北京にあるGTI事務局からは、本稿締め切りまでにコメントを得られなかった。

北朝鮮は今のところ再加盟の意思を公にはしていないが、匿名の消息筋が北朝鮮ニュースに語ったところでは、数カ月以内に再加盟の意向を表明する公算が大きいという。

ウランバートル宣言では、GTIは「ロシアの『大ユーラシア経済パートナーシップ』、中国の『一帯一路』、モンゴルの『草原の道』開発計画、韓国の『新北方政策』といった加盟国による地域協力枠組み」を後押ししていく、としている。

韓国はさらに、ロシアの極東地域までをカバーする「朝鮮半島新経済地図」構想を掲げる。鉄道の連結、電力網やガスパイプラインの敷設など、北朝鮮への巨額投資を伴うプロジェクトだ。ロシア政府は一応の関心を示すにとどめているが、韓国は前のめりになっている。

しかし、北朝鮮を含む広域経済圏構想の行く手にはジレンマが横たわる。政治リスクが高すぎて、とても投資できる状況にはないからだ。政治的な変化を促すには巨額の投資が必要になるが、投資が回収できるかどうかは北朝鮮の政情に左右されるため、懸念は尽きない。

投資回収に関する懸念を和らげる最善の方法はコスト、すなわちリスクを関係国で分散することだ。韓国には、その準備ができている。ロシアにもリスクをとる用意があるかもしれない。だが、外交的なトロイカ体制を構築し安定感を高めるには、リスクを引き受ける国がもう1つ必要だ。日本の加盟によって、GTIの今後は大きく左右されることになるだろう。

一方、日本はGTIに加盟することによって、さまざまなプロジェクトへの投資が可能となる。ロシアから朝鮮半島に引き込まれるガスパイプラインの日本への延伸、北朝鮮の電力網や鉄道インフラに対する投資などだ。

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