つみたてNISAを使って投資する時の「盲点」 投資信託を選ぶ時にはやっぱり注意が必要だ

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また、最初に投資信託の純資産総額が小さくなった場合は、途中で運用が終了する、いわゆる繰り上げ償還する可能性があると指摘しましたが、一般的に10億円~30億円を切るようであれば、繰り上げ償還のリスクは高くなると言われています。

では、そもそもなぜ純資産総額が小さくなると繰り上げ償還のリスクが高まるのでしょうか。

繰り上げ償還はいわゆる投資信託の時価総額で、基準価額×受益権総口数(投資信託を購入している個人投資家が保有する口数の合計)から求められます。投資信託を購入する数より解約(売却)する数のほうが多い状態になると、受益権総口数は減少していきます。

純資産総額は基準価額×受益権総口数から求められる通り、受益権総口数が減少すれば、比例して純資産総額も減少していくといった関係にあります。つまり過去のデータを見て、純資産総額が減少傾向にあるということは、解約する人が相次いでいる(受益権総口数が減少している)と考えることもできます。

これらを踏まえると、ある程度の純資産総額があり、なおかつ安定的に増えているかどうかは、繰り上げ償還リスクの低い商品を選ぶ際のもう1つの基準となりそうです。

ちなみに「ある程度」の純資産総額というのは、100億円規模から1000億円と言われています。

たとえば先ほど紹介した「ニッセイ日経225インデックスファンド」のここ3年の成績を見てみると、2015年9月30日は976億円だった純資産総額が、2018年9月末には約1450億円まで安定的に上昇していることがわかります。つまり、運用実績、純資産総額ともに今回紹介した基準を満たすため「ニッセイ日経225インデックスファンド」は繰り上げ償還リスクの低い商品と考えることができます。

整理すると、繰り上げ償還リスクの低い商品は3年以上の運用実績があり、なおかつ純資産総額が100億円規模から1000億円規模で安定的に増えている点が選ぶ基準と言えそうです。

つみたてNISAを利用することによって非課税メリットが受けられるのは確かです。ただ、選ぶ商品を間違えると繰り上げ償還によって思いもよらないデメリットを被る可能性があります。手数料の安さだけでなく、繰り上げ償還の可能性についても良く検討したうえで、商品を選ぶことが大切です。

吉田 祐基 ライター兼編集者

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よしだ ゆうき / Yuki Yoshida

各種金融系情報誌の編集・執筆業務を行う株式会社ペロンパワークス所属。大手不動産情報サイト編集記者を経て入社。株・投資信託の編集・執筆を担当。ファイナンシャルプランナーの資格も。

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