速報! 就職人気企業ランキング100--2010年卒業生が選んだ「就職したい会社」
米国の金融不安に端を発した急速な景気減速。それに伴い、ここ2年続いた求人倍率2倍を超えた新卒採用も、「売り手市場」からの大きな変化が出ている。そんな中、学生の企業選びにどのような影響が出ているのか。「人気企業ランキング」でその動きを探ってみた。
速報版は、投票者の男女比を均等にするための加重平均や、企業価値・仕事価値の重視度による就職誘引度を考慮しない単純得票数ベースでの集計だ。よって、投票数の多かった女子学生や文系学生の志向が、ランキングに多分に影響を与えていることをお断りしておく(男女の加重平均や就職誘引度を掛け合わせた最終結果は1月ごろ発表予定)。
マスコミ人気が復活 メガバンクはダウン
総合第1位はフジテレビジョンとなった。昨年は4位と順位を下げたが、2年ぶりに首位に返り咲いた。それぞれで満遍なく高い得票(男子3位、女子2位、文系1位、理系4位)を得ての1位である。総合2位は、博報堂/博報堂DYメディアパートナーズ(以下、博報堂)で、昨年13位から一気に順位を上げ、本調査開始以来、初めて電通を上回る結果となった。その電通も昨年8位からランクアップして総合3位。結果として、トップ3はマスコミ・広告の独占となった。ほかにも、テレビ朝日が6位、集英社が昨年と同じく9位、日本テレビ放送網が10位と、トップ10に6社が顔を並べた。昨年は3社だったことを考えれば、今年はマスコミ人気が復活したといっていい。
昨年総合1位だった資生堂は4位に。女子の人気は相変わらず高く、女子のランキングで1位を固守したものの、マスコミ人気に押されて総合順位はダウン。同じく女子に人気の高い全日本空輸(5位)やJTBグループ(7位)もランキングを下げている。昨年は、女子人気の高いこれらの企業に票が集中したが、マスコミ人気復活で、票が分散したのが原因と考えられる。
マスコミ人気の要因は何だろうか。ほかの一般企業ほど、景気後退や円高の影響を受けないと考えているのだろうか。マスコミ各社の主な収益源は一般企業の広告費。その予算が景気動向によって大きく左右されるという現実を、まだ理解できていないのかもしれない。
昨年まで堅調だったメガバンクだが、今年はその人気に陰りが出ている。トップ10には、三菱東京UFJ銀行(8位)のみがランクイン。三井住友銀行は5ランクダウンの12位。みずほフィナンシャルグループは7ランクダウンで18位となった。同じ金融でも、証券や生保・損保はわずかではあるがランキングを上げており、メガバンクだけが人気を下げた結果だ。金融不安が、身近な銀行にだけ反映された結果かもしれない。今後、学生の業界研究が進み、金融業界各社のランキングがどう変化するか注目したい。
外資系企業の人気が高かったのも特徴だ。昨年は上位100社以内に、P&Gジャパン(今年68位)1社のみだったのが、今年はさらにゴールドマン・サックス証券(74位)、ルイ・ヴィトンジャパン(80位)、アクセンチュア(96位)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(97位)と計5社も名を連ねた。しかし、調査時期が6月から10月で、世界金融不安前の投票も多い。こちらも、今後の順位の変化を注視する必要があるだろう。