ガリバー、中古車“巨人”の大勝負 卸専業から小売り、海外へ
海外へ初めて本格進出 タイに照準を絞るワケ
小売りに加え、成長復帰に向けたもう一つの戦略が、海外進出だ。
14年2月に東南アジアのタイに30店の買い取り店を新設し、17年度末までにはASEAN(東南アジア諸国連合)地域に800店のネットワークを構築する。わずか4年で現在の国内の約2倍の店舗網を作り上げる計画だ。
実は、07~08年に、中国を中心とした海外進出の計画があった。「正直に言うと、時代の流れで中国に行かねばならない雰囲気で焦っていた」(羽鳥社長)。
ただリーマンショックの影響を受け、すべての計画は白紙撤回。国内出店も抑制し、我慢の時期を経て海外進出を再び決断、最初に照準を定めたのがタイだった。
「一定数の新車市場があることが中古車事業を展開する必要条件。新車販売が年間100万台以上のタイは安定的な市場として魅力的。所得水準から見て、最初の進出先はタイと決めていた」(許哲・執行役員)
13年に入り、タイでは新車購入時の優遇措置が昨年末に終了し新車販売が低迷している。が、「これまでタイは新車を並べれば売れていたが足元の販売は厳しいようだ。中古車事業をどう手掛けるかという声が現地ディーラーから出始めている。そんな今だからこそ、進出すべきと決断した」と羽鳥社長は強調する。
ASEANでも、将来的には小売り店舗も検討するが、まずは買い取りに専念し、中古車の調達力確保に力を注ぐ。
国内は小売りへのシフトで収益体質を強化する一方、海外進出で規模拡大を狙うガリバー。中古車業界の「革命児」は創業以来最大の転換期を迎えている。
(撮影:風間仁一郎 =週刊東洋経済2013年11月16日号)
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