ガリバー、中古車“巨人”の大勝負

卸専業から小売り、海外へ

卸売り依存の限界 好採算の小売り強化

中古車の買い取りを主軸に業容拡大してきたガリバーは、全国各地に店舗ネットワークを展開、圧倒的な買い取り台数を確保し、中古車オークションを中心に卸売りすることで業績を伸ばしてきた。

だが、リーマンショック以降、業績が振るわない(上図)。国内新車市場の縮小傾向に伴い、買い取り台数は頭打ちの状況が続く。今後、人口が減少する国内において卸売りだけで成長するには限界が見えてきた。

卸売り依存の弱みが露呈したのが、自動車市場を押し上げたエコカー補助金導入後の収益悪化だ。

補助金で販売競争が過熱した新車ディーラーは、拡販施策として、実質的に値引きとなる中古車買い取り価格の引き上げを相次いで実施。その結果、市中の取引価格も上昇し、ガリバーのような中古車専門店も買い取り価格を上げざるをえなくなり、利益が急速に悪化した(下図)。

卸売り依存からの脱却を図る一手が「WOW!TOWN」などの小売り事業の強化だ。もともと消費者に直接販売する小売りは卸売りに比べ、一台当たりの粗利が2~3倍と大きい。

さらに小売り強化によって、車両整備や車検、自動車保険の販売などの収益機会も増える。中古車の買い替えにつなげる狙いもある。

「9割以上の中古車店は小売りからスタートする。19年前の創業時に決めたのは、中古車が生まれる川上をしっかり押さえて、川下である小売りに行こうということ。ようやく攻めの段階に入る状況が整った」と創業二代目の羽鳥裕介社長は言う。

ガリバーは17年度末に中古車小売りの年間販売目標を40万台(12年度は5.4万台)まで引き上げる目標を掲げる。国内店舗網は約2倍の800店まで拡大する計画だ。

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