沖縄が台湾人の「日帰り観光」を喜べない現状 買い物に近いから人気? 遠いハワイの背中

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国際通りの薬局で爆買いした外国人観光客(記者撮影)

サツドラの国際通り店で購入していた台湾人旅行者は、「親戚や友人ら数十人からサロンパスやアリナミンなどを買ってきてほしいと頼まれた。みんな日本で買ったものをいちばん信頼しているからいちばん近い沖縄に買いに来た」と話す。

「アウトレットモールあしびなー」や「イオンモール沖縄ライカム」などのショッピングセンターにも、団体の外国人客を乗せたバスやレンタカーがつねに出入りして活況を呈す。

沖縄県内の旅行会社の幹部は「観光客が増えるのはうれしいが、沖縄は『日本ショッピングセンター』と化している」と複雑な思いを語る。

実際、沖縄とハワイを比べてみると、観光客数でこそ上回ったものの、平均滞在日数と平均消費額ではハワイに及ばない。平均滞在日数は沖縄が3.68日に対してハワイが8.95日、1人当たりの平均消費額は沖縄が7万2853円に対してハワイが1787ドル(約20万円)とそれぞれ沖縄はハワイの半分以下だ。

沖縄県は第5次沖縄県観光振興基本計画で2021年に観光客数1200万人、1人当たり県内消費額9万3000円、平均滞在日数4.5日の目標を掲げる。しかし、順調な観光客数増加に対し、平均滞在日数や平均消費額は横ばい傾向が続く。

特に増加傾向にあるクルーズ船は平均消費額が低い。2017年度の一人あたりの平均消費額は空路で来る訪日客が10万0265円に対し、海路の訪日客は2万9861円と空路のおよそ4分の1。県の観光政策担当者は「短時間の滞在で約3万円消費してくれるのは効率的でいい」と話すが、増加するクルーズ客が平均消費額と平均滞在日数を押し下げていることは事実だ。

そのため、「クルーズ船ばかり増えては宿泊業者にお金が回ってこない」(那覇市内のホテル経営者)、「夕食時になるとみんな船に戻って立ち寄ってくれない」(同飲食店)と不満が募る。

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