定年間際で貯金がない人は本当にヤバイのか

過剰に心配するよりもやるべき「3つのこと」

(2)可能なかぎり働き続けること

自営業者に限らず、サラリーマンも、元気で働けるうちは働くべきです。今はほとんどの企業で65歳までの雇用が可能になりました。現在は一般的である60歳定年が定着したのは平均寿命が70歳前後の時代です。ところが今は男性でも平均寿命が80代前半(約81歳)にまで伸長しているわけですから、70歳まで働いても不思議ではありません。60歳で仮に貯金がほとんどなくても、そこから10年間しっかり働くことで蓄えをこしらえることも不可能というわけではないのです。

(3)公的な保障の仕組みをよく知っておくこと

年金だけではなく、病気になったときや失業したときなどをはじめ、国や地方自治体の支援を受けられる制度はたくさんあります。前述の本の著者も「公的医療保障があるので民間の医療保険などに入る必要はまったくない」と書いています。

多くの人は税や社会保障の仕組みをあまりよく知りません。しかし調べてみると国からもらえるお金というのは非常に多岐にわたっています。制度があることを知らないために損をしているとすればもったいない話です。所得税や住民税をたくさん払ってきたのですから、それに見合ったサービスを受けるのは当然の権利です。

退職金でいきなり投資を始めたりしないこと

このように60歳で蓄えがほとんどないとしても、ある程度工夫をすれば決して生活できないわけではありません。

ただ、1つ注意すべきなのは、退職金でいきなり投資を始めたりしないことです。まとまった貯金を持ってない中で、退職金というまとまったお金を受け取った場合、それをさらに増やしたいという気持ちが出てくるのはよくわかります。

金融機関もおそらく熱心に勧めてくるでしょう。しかしながら投資はあくまでも不確実なものであり、そのお金の大半は大切な生活資金です。そんなお金をリスクにさらすべきではありません。まず考えるべきことは上記の3つの事柄であり、投資を始めるのはある程度余裕の資金ができてからにすべきです。

もちろん、年をとっても困らないように若いうちからしっかりと蓄えを用意することが最も大切なわけですが、そうは言っても何らかの理由で定年近くなっても蓄えがないというケースはあるでしょう。実は私自身も今まで著書にも何度か書いたように、定年の時点での貯金はわずかしかありませんでした。しかしながら、少しの工夫をすることで人に頼ることなく自立して生きていくことは可能ではないでしょうか。
  

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