あの鉄道メーカー製、奇想天外「バス」の実力 国際鉄道見本市イノトランスは発想の宝庫だ

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すでにフランス、ドイツ、オランダなど欧州各国の15都市で走行実験を行い、2019年夏にはフランス国内で運行を開始する予定だという。「日本でも走れますか」という質問に対して、アルストムの担当者は「もちろん。走るだけならまったく問題ない」と回答した。

もっとも、営業運転となると、たくさんの障害が出てくるだろう。欧州と日本では、法規上道路を走れる車両のサイズも異なる。ポーランドの大手バスメーカー、ソラリス社の担当者は、「これまでとまったく違うバスを導入すると、メンテナンスから運転まで、導入会社がやるべきことは多い。バスだけでなく、インフラも導入するため費用もかかる」と指摘する。

日立の車両も登場

オープンに発表された車両はごく一部にすぎず、18日から始まる会期中にはこの何倍ものも新発表があるだろう。

日立のイタリア鉄道向け車両(記者撮影)

実物車両としては、高速鉄道車両の展示は今回はなさそうだが、屋内の技術展示では、高速走行と安全性・省エネ性・環境性能を同時に実現するような新技術が公開されるかもしれない。そして、その技術が将来のイノトランスにおいて、新型車両として公開されるかもしれない。

中国中車が初めて実物車両を展示したが、日本メーカーでは日立製作所がイタリア鉄道向けの2階建て列車を展示している。日本の強みを世界に伝え、同時に世界から日本に足りないものを学ぶことが、日本の鉄道を強くする。日本からも大勢の鉄道関係者がイノトランスに参加している。9月18日から始まる4日間が、日本の鉄道の将来にとって非常に重要な4日間になるかもしれない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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