酔えば球場も近い?西武「ビール特急」の挑戦 「遠い」ドーム集客へ、ライオンズと連携強化

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車内でいくつかのグループへ取材を試みた。池袋駅周辺の金融機関の支店に勤めるグループで参加したという男性は「店舗が池袋駅前にあってすぐに乗れるので職場の仲間たちとともに参加した。こういった列車があると球場に足を運びたくなりますね」と上機嫌だった。

ヱビスビール特急の前で記念撮影する参加者たち(筆者撮影)

また、さいたま市から家族で参加した女性は「西武球場前行きの『ヱビスビール特急』はすばらしい試みだと思う」とビールを片手に語りつつ「平日はサラリーマンの帰りを待たなければいけないから早い時刻の運転はできないかもしれないけど、休日なら試合開始前に間に合う時刻での運行も可能だと思うので、ぜひ検討してもらえるとうれしい」と西武鉄道に対するリクエストもあった。

「ヱビスビール特急」のイベント参加チケットには、特急車内での『ヱビスビール』約1時間飲み放題の特典とおつまみ、観戦チケット(3塁側内野指定席)、さらに球場でのヱビスビール無料引換券1枚が付いており、価格はおつまみが中華プランで3980円、和食プランで4480円。球場観戦付きでビール飲み放題と高級料理店特製のおつまみが付いてこの料金設定であれば人気なのもうなずける。

「遠い」ドームへビールで誘客

今回初めて埼玉西武ライオンズとの協力によって「ヱビスビール特急2018 for ライオンズ」を運行したことについて、西武鉄道は「平日の観客動員数と西武球場前駅の乗降者数は土休日に比べると少ないので、まだまだ大きなのびしろがあると思っている」としたうえで、「メットライフドームは都心から距離があるため、仕事帰りに平日のナイトゲームに出かけるには『遠い』『面倒くさい』という心理的障壁があるとの仮説を立てた」と、企画の発端について説明する。

そして「その心理的障壁を取り除き、来場モチベーションを喚起するための仕掛けとして『特急車内での生ビール飲み放題』をフックに、メットライフドームでの野球観戦に興味のなかったお客さまの動機づけとしてとらえ、観客動員と鉄道利用の双方の底上げを狙った」という。

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