「一帯一路」鉄道がエチオピアで頓挫した事情 「プロジェクトの持続可能性は低い」
[アディスアベバ/北京 1日 ロイター] - エチオピアは、シルクロード経済圏構想「一帯一路」の「モデル国家」として、中国共産党の専門家から称賛されている。中国政府は一帯一路に1260億ドル(約14兆円)を投資して、自国とユーラシア、アフリカ大陸をつなぐ鉄道、道路、海路の構築を目指している。
しかし、「アフリカの角」に位置する人口1億人のエチオピアは債務返済で苦境に立たされており、同国の主な債権者である中国が、一部のインフラ計画の収益性に懸念を強めて融資を鈍化させる兆しが見えている。
中国の対エチオピア投資は減速
「出資者は、エチオピアのGDP(国内総生産)の59%に及ぶ債務の返済リスクが非常に高まっていることを懸念している」と、エチオピアの首都アディスアベバのアフリカ連合(AU)本部への中国代表団は7月、ウェブサイトで表明した。
それによると、中国の対エチオピア投資は減速しており、中国輸出信用保険公司はエチオピアへの投資規模を縮小しているとしている。
アフリカ諸国の債務懸念が高まるなか、エチオピアのアビー首相は中国アフリカ協力フォーラム(FOCAC)に出席するため3日から北京を訪れる。
アビー首相は中国の李克強首相と会談するほか、自国の農工業・製薬ビジネスに中国企業から投資を呼び込もうとするとみられると、中国国営新華社は伝えている。
米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)の中国アフリカ研究所(CARI)によると、エチオピアは天然資源に乏しいにもかかわらず、中国からの融資においてアフリカ諸国のなかでトップを占め、中国国有の政策銀行は2000年以降、121億ドル以上融資を拡大している。