「摸倣する心」を持てば社会で生きやすくなる 社会で生き延びるための「発達障害の仕事術」

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僕は、人生の大半において「休養」を「スケジュールを何とか帳尻合わせする余剰時間」として認識してきました。

「完璧な休養」はタスク化して徹底的に休むことを心がけよう(写真: 阿野陽/PIXTA)

こういうことです。例えば、今日が金曜日で締め切りが月曜日の必達タスクがある。この場合、我々はほぼ確実に日曜日の夜、そのタスクに取り掛かることになるでしょう。そして、3時間で終わると踏んでいたタスクは予想外に長引き、月曜の朝に何もかも終わった体調で世界と向き合う羽目になる。そういうことって多いですよね。

僕は、サラリーマン時代に会社から「宿題」を出されたとき、実にしばしばこのような事態に陥り、運が良ければひどい寝不足を抱えて、最悪の場合は全く終わっていない「宿題」を抱えて出社することになりました。あれはとても辛いものです……。「日曜日は完璧な休養というタスクがあるので、土曜の夜までに必達タスクを終えておかねばならない」。そういう認識でいれば避けられたことだと思います。

日曜の夜に徹夜でタスクをこなして迎える月曜日の絶望、皆さんも覚えがあるのではないでしょうか。この場合、必達タスクを頭に抱えながら過ごす土曜日も全く休養になっていません。焦燥感にジリジリと焼かれながら、結局動けずに過ごすあの時間、一切回復していないのは覚えがありますよね?

そういうわけで、「この日は休む」「この時間まで休む」という予定を真っ先にスケジュール帳に書き込む、という極めてシンプルなライフハックをおすすめいたします。そして、休養は神聖不可侵なる必達タスクであり、他の何かが入り込む余地はないと心得ましょう。

ここで重要なのは、「完璧な休日」はまさに「完璧な休日」である必要があるということです。具体的に言えば、ワイシャツをクリーニングに出したり、付き合い飲みに出たり、部屋を掃除したりするのは「完璧な休日」ではありません。それは別のタスクです。月に何日の「完璧な休日」が必要かは人によるでしょうが、最低3日は取ることを心からおすすめします。そして、スケジュールを組む段階で「絶対にこの日は休む」と定義してしまいましょう。

これは、起業されたりあるいはフリーランスだったり自営だったりする皆さんにとって最も重要な概念だと思います。というのも、「休養は優先度一位だ」と腹を括っておかないと休みなんてマジで取れません。

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