テスラの「EVトラック」をくじく包囲網の全貌

この分野に特化するベンチャー勢が急加速

競争が最も激しい、と言われるのが郵便局の宅配トラックだ。アメリカ郵便局は老朽化した宅配トラックを切り替え、今後7年間で新規で18万台購入する計画を発表している。これだけで総額63億ドルのビッグ・ビジネスとなるが、郵便局ではこのすべてを超低燃費あるいは無公害車両にする予定だ。

現在、次世代郵便配達トラックの候補に挙げられているのはフォードと提携するオシュコシュ、ワークホース、インドのマヒンドラ、AMゼネラルなどだ。ただし郵便局は全米各地でさまざまなメーカーの宅配トラックをテスト運用しており、新たな企業が指名される可能性もある。

トールはUPSと提携しEVバンを提供(トール提供)

今宅配トラックなどのミドルサイズを中心としたEVトラックが注目される理由について、トールのCEOダコタ・セムラー氏は「住宅街を走るという意味からなるべく排ガスを出さず、クリーンで信頼性のある車両が社会的に求められている」という背景があると語る。続けて現在のEVトラックメーカーの競合について「ライバルととらえるのではなく、社会全体としてクリーンなトラックの導入という方向性を持つための共同作業」と言う。

また、複数の企業が登場することでバッテリーの性能向上、部品提供企業の増加、バッテリーチャージステーションの充実という形で物流業界にEV化を促進する役目を果たすことを理想として掲げている。

コンテナトラックに導入可能性も

将来の宅配トラックの自動運転化も視野に入れると、EV化は避けては通れない道となる。今後大手メーカーも含めてこの分野への参入はますます増え、技術の躍進にも期待がかかる。

現在は宅配を目的としたミドルサイズが主流ではあるが、EVトラックは今後大型のコンテナトラックなどにも導入される可能性がある。現時点では走行距離などを考えるとコンテナトラックのゼロ・エミッションには燃料電池が最もふさわしい、という考えもある。しかしバッテリー性能が向上すれば、テスラ・セミやトールET-Oneなどは大型トラックに発展させることも可能なモデルだ。

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